アジレントには含有成分を確認するメソッドがあります。
「石鹸でこまめに手を洗いましょう」。これは誰もがよく耳にするアドバイスです。手洗いが難しい場合は、感染予防に手指除菌液が使えます。石鹸での手洗いは効果的ですが、あらゆる状況で手を清潔に保つために手を洗うのは少々面倒です。そこで、手指除菌液は医療従事者や初期対応者だけでなく、食料品店、レストラン、生活に不可欠なサービスを提供する施設で働く人々にとっても、今や必需品となりました。
FDA はガイダンスを発行し、この公衆衛生上の緊急時においてアルコール製造業者が手指除菌用製品を製造することを一時的に許可しました。手指除菌用製品の製造には、アルコールの他にグリセリン、過酸化水素、滅菌水が必要です。
最近では、蒸留酒製造所が手指除菌用液不足を解消するため、施設のアルコールを利用して独自のアルコール除菌液を開発しようと名乗りを上げています。小さなボトルに入れて提供することもあれば、詰め替え用の容器を持参するよう依頼することもあります。
アジレント従業員の貢献
手指除菌液の製造に注目が集まるなか、材料成分、特にメタノール汚染の適切な分析方法についてお問い合わせをいただくことが多くなりました。 これに対応しようと、アジレント従業員の Vanessa Abercrombie、Gustavo Serrano、Phil Stremple はガスクロマトグラフによる手指除菌液分析メソッドの開発に着手しました。 アジレント従業員の Jie Zhang はこの作業を拡張し、USP(米国薬局方)規定のメソッドにならいつつ、メタノールを汚染物質に含めました。
エタノールまたはイソプロパノールの含有量を割り出すための最初のメソッドでは、水素炎イオン化検出器を搭載した 7890 GC と J&W DB-WAX UI および DB-624 UI カラムを用いて、アルコール除菌液に含まれるアルコールを定量しました。拡張メソッドでは、米国薬局方 <611> のメソッドに関する勧告に従い、内部標準キャリブレーションと水素炎イオン化検出器を搭載した 8860 GC とを併用しました。 いずれのメソッドでも、溶媒として水を注入した場合であっても、アルコールのリテンションタイムとピーク形状は、複数回の直接サンプル注入の過程において一定に保たれました。
これらのカラム相は、水/アルコール混合物を主成分とするサンプルに対して優れた安定性を示します。この相の卓越した不活性度により、アルコールに対してよりシャープで対称性の高いピーク形状が得られ、リテンションタイムの再現性が高まり、一貫性のある正確な定量結果が実現します。
リソース
製造施設は、除菌液のアルコールの最終濃度が適切であることを確認することが重要です。また同様に、輸送中のアルコール濃度の減少、不正な希釈、使用現場での改ざんがないか確認するため、販売後の除菌液を評価することも重要です。
フーリエ変換赤外分光光度計(FTIR)分析では、除菌液に含まれるアルコールの正確な定量を迅速かつ確実に実施して製造後のニーズを満たし、未知のサンプルに含まれるアルコールの種類を識別することができます。
FTIR は赤外線を用いてサンプルの化学的特性を確認します。この分析は実質的にサンプル前処理を必要としないので、色別表示された合格/不合格の結果が数秒で得られます。
Agilent Cary 630
FTIR
Agilent 4500
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Agilent Cary 630 FTIR は Agilent Microlab ソフトウェアと併せて使えば、ラボで簡単に分析ができます。堅牢な可搬型の Agilent 4500 FTIR は Agilent Cary 630 FTIR と同じ手法に基づいた、現場での分析に適したポータブルソリューションです。
本製品は一般的な実験用途での使用を想定しており、その他の用途にご利用いただくことはできません。
免責事項:アジレント製品を COVID-19 の検査、診断、治療、緩和の用途で使用することは承認されていません。アジレントでは、製品による新型コロナウイルスの検出について検証を行っていません。