ICP-OES 用ネブライザ

マルチ型 ICP 発光 (ICP-OES)

ICP-OES 用ネブライザ

ICP-OES ネブライザは、高速のアルゴンガス流で液体サンプルを分解し、微細なエアロゾルを生成します。その後、微細な液滴をスプレーチャンバとプラズマに送ります。アジレントのネブライザは厳密な仕様に基づいており、最高のシグナル強度と最適な S/N 比を実現できます。適切な ICP-OES ネブライザを使用すれば、最適な性能を実現し、詰まりや予定外のダウンタイムのリスクを軽減することができます。

SeaSpray ガラス製同軸ネブライザは ICP-OES 機器に標準搭載されています。

信頼性の高い V 溝ネブライザは総溶解固形分(TDS)が高く、TDS が最大 30 %、粒子サイズが 350 ミクロン未満のサンプルのルーチン分析にお勧めです。不活性構造であるため、フッ化水素(HF)酸分解物や有機溶媒に適しています。

OneNeb シリーズ 2 ネブライザは、フローブラーリングネブライゼーション技術に基づく不活性で高効率な汎用ネブライザです。従来のガラス製同軸ネブライザよりも、感度、精度が向上し、溶解固形分に対する耐性に優れています。

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特長

  • 耐性に優れており、サンプル取り込みの再現性と安定性が高くなっています
  • 再分析の回数を減らしてダウンタイムを短縮し、生産性を上げることができます
  • ガラス製同軸ネブライザは、ICP-OES 用標準ネブライザで、ルーチンアプリケーションに推奨されます
  • TDS の高いサンプルや懸濁粒子を含むサンプルの吸引には、高 TDS や大きい粒子に対する耐性の高いパラレルパスネブライザ(OneNeb 2、V 溝ネブライザなど)が最適です
  • クリーンな有機サンプルの吸引には、微細なエアロゾルを生成し、高い精度と安定性をもたらすコニカルネブライザの使用が最適です
  • フッ化水素(HF)酸で調製したサンプルには、OneNeb 2 のような不活性ネブライザが必要です。これは、HF 酸が従来のガラス製同軸ネブライザを腐食して、劣化させるためです
  • UniFit および EzyFit サンプルコネクタ、EzyLok アルゴンガスコネクタ、キャピラリチューブなど、あらゆる種類の接続アクセサリを、すべての種類のネブライザでご利用いただけます
  • ネブライザのクリーニングとメンテナンスを簡単に行える、専用のネブライザクリーニングツールもご用意しています
  • Agilent ICP-OES ネブライザはすべて外径 6 mm のボディを持ち、ガラス製と不活性の両方のスプレーチャンバに対応する汎用性の高いものです

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機能および原理

  • ICP-OES ネブライザの役割

    ICP-OES ネブライザは、液体サンプル導入用とアルゴンキャリアガス用の 2 つのチャンネルで構成されています。高速のアルゴンガス流で液体サンプル流を分解し、微細なエアロゾルを生成します。このエアロゾルをスプレーチャンバに渡し、そこで大きな液滴をフィルタで除去して、トーチインジェクタ経由でプラズマに微細な液滴を確実に送り込みます。

    プラズマ中に供給されるエアロゾルの品質は、分析全体の性能、特に感度、精度、安定性に直接影響を与えます。

    ICP-OES の基礎についての詳細はこちら

  • 適切な ICP-OES ネブライザの選択

    アジレントは、さまざまな分析に対応した幅広い ICP-OES ネブライザを提供しています。

    • 同軸:水溶性サンプルのルーチン分析に最適
    • V 溝またはパラレルパス:350 μm 未満の粒子による詰まりに耐えられるよう設計されたラージボアキャピラリを搭載
    • フローブラーリング:TDS 25 % 未満の高感度、有機、または水溶性サンプルに最適

    ネブライザ選択の際には、サンプルマトリックス、総溶解固形分(TDS)含有量、粒子サイズを考慮する必要があります。

    ご使用のアプリケーションに最適な ICP-OES ネブライザを簡単に探すには、アジレントのネブライザセレクタツールをご利用ください。
  • ネブライザの詰まりを回避

    極めて困難なサンプルの分析が、ネブライザの詰まりや機器のダウンタイムの原因となることはよくあります。

    アジレントで最も堅牢性に優れたネブライザは不活性、V 溝の高 TDS ネブライザです。以下のような設計により、生産性が向上し、メンテナンスが容易になりました。

    • 内径 1 mm のサンプルキャピラリ付き V 溝チップ - TDS 最大 35 %、および 350 µm 未満の大きな粒子に対応
    • 不活性構造 - HF 酸に対応
    • 高スループット - AVS 切り替えバルブとの併用に推奨

    Agilent V 溝ネブライザの詳細についてはこちらをご覧ください。

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アプリケーション

  • 潤滑油中の摩耗金属の高スループット測定(ASTM D5185)

    傾向分析を利用した潤滑油と油圧オイルの元素分析は、予測保全と予防保全に不可欠ですが、このアプリケーションでは、懸濁粒子によってネブライザが詰まるという問題がよく起こります。アジレントの不活性、V 溝の高 TDS ネブライザAgilent 5900 ICP-OES および アドバンスドバルブシステム(AVS 6) で使用することにより、ネブライザの詰まりを低減し(あるいはまったく起こさずに)、使用済みディーゼルエンジン潤滑油サンプルを 6 時間で 1000 個以上、つまりサンプル 1 個あたり 23 秒足らずの速さで高速分析できました。

    アプリケーションノートを見る(英語)

  • ICP-OES による AUS 32 ディーゼル排気液中の微量元素の測定

    世界中の環境大気質の低下は、健康上の大きな懸念事項です。道路輸送での排気ガスは、最大の汚染物質発生源に数えられます。 ディーゼルエンジンの選択触媒還元(SCR)による排出ガスを削減するには、排気ガスを処理し、有害な汚染物質、特に二酸化窒素(NO2)を除去するために、AUS 32 または AdBlue として知られる高品質のディーゼル排気液(DEF)が必要になります。 この研究では、OneNeb 2 ネブライザを搭載した Agilent 5800 ICP-OES を用いて、ISO-22241 標準に従って尿素水溶液(AUS 32)中の微量元素を測定しました。

    アプリケーションノートを見る

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