リチウムイオン電池カソードの構造

カソードまたは前駆体カソード活物質(pCAM)の化学組成とその機械的構造は、電池の安全性、寿命、エネルギー密度を左右します。pCAM をカソードに塗布する前に、その材料として用いる化学物質、結合剤、導電粉末、およびスラリー溶媒や、最終的な pCAM 生成物の不純物試験を行うことで、電池の品質を確保することができます。

濃縮金属塩溶液中の微量不純物の測定は複雑なため、高機能な機器や専門知識が必要になります。

お問い合わせ

カソードケミストリ

カソードケミストリとして、リン酸鉄リチウム(LFP)、リチウムニッケルマンガンコバルト酸化物(NMC)、リチウムニッケルアルミニウム酸化物(NCA)、リチウムコバルト酸化物(LCO)などが一般的に使用されています。カソードは、pCAM スラリーをアルミ箔などのカソード基板に塗布することにより作られます。スラリーは、粉末 pCAM と、スチレンブタジエンゴム(SBR)またはフッ化ポリビニリデン(PVDF)結合剤と導電粉末(グラファイト)を n-メチルピロリドン(NMP)溶媒に分散させることにより生成されます。



カソードの製造

一般に、pCAM スラリーの分散は、ガスの巻き込みを防ぐため真空下で行われます。その後、アルミ箔は加熱と乾燥によって NMP 溶媒が除去され、巻き取られます。NMP 溶媒は回収して再利用できますが、その場合は、プロセスへの不純物の混入がないことを試験によって確認する必要があります。次に、カソードは適切なサイズに切断されます。セルの作成前にカソードを真空加熱することにより、残留水分が除去されます。その後、セルは真空下でドライパックされます。




アジレントのカソード試験および処理ソリューション

試験/処理要件 推奨される分析法/機器
材料として用いる化学物質の同定および純度の確認 ICP-OESICP-MSFTIR
生産プロセス中の不純物のモニタリング ICP-OESICP-MSFTIR 
基材の混合 ロータリポンプルーツポンプ
集電体のコーティング ディフュージョンポンプ
積層リチウムイオン電極の真空乾燥 ドライスクロールポンプ

カソードの試験に関するアプリケーションリソース

そのまま使える標準操作手順書

一から始める必要はありません。アジレントでは、LFP カソードの不純物分析のための完全な標準操作手順書(SOP)をご用意しています(GB/T 30835-2014 のメソッドにもとづく)。この SOP は Word 形式で提供され、コピーしてお客様のテンプレートに貼り付ければ完成です。SOP のサンプルをこちらでご覧いただけます。

カソードの不純物試験に関するウェビナー

不純物試験はなぜ必要なのでしょうか?不純物はカソードの化学反応にどんな影響をおよぼすのでしょうか?そのデータをどうやって採取、解析、解釈すればよいのでしょうか?このウェビナーでは、これらの疑問に答え、ナトリウムイオン電池カソードの分析について詳しく説明します(43 分間)。


ICP-OES によるリン酸塩リチウムイオン電池の元素分析

LFP 電池は、EV 用の LIB カソードケミストリとして最も広く使用されています。LFP pCAM に元素不純物が存在すると、十分な持続可能性を達成できない可能性があります。

このビデオでは、LFP マトリックス中の不純物分析のためのサンプル前処理、メソッド開発、および分析について詳しく説明します。バーティカルデュアルビュー(VDV)構成の Agilent 5800 ICP-OES システムによる高塩類マトリックスサンプルの正確かつ堅牢な分析の詳細については、こちらをご覧ください。

LC-ICP-MS による LFP カソード材料中の鉄のスペシエーション

LFP カソード中の鉄イオンの存在は、自己放電につながるため問題です。そのため Fe3+ 含有量を抑えることが、電池グレードの LFP 品質を確保するうえで最も重要な要因と言えます。

標準的な定量メソッドには滴定が使用されますが、このアプリケーションノートでは、Agilent 1260 Infinity II LC システムと Agilent 7850 ICP-MS 機器を組み合わせて Fe2+ および Fe3+ のスペシエーションを行うシンプルなアプローチについて取り上げています。


ICP-MS によるリチウムイオン電池カソード材料中の微量元素の分析

中国では、NMC カソードおよび材料のメーカーとサプライヤに遵守が義務付けられている特定の規格が定められています。

このアプリケーションノートでは、Agilent 7900 ICP-MS システムを使用したメソッドを紹介しています。このメソッドは中国 GB 規格に準拠し、その他の地域でもカソードの不純物に適用できる品質試験として広く受け入れられています。


リチウムイオン電池のバリューチェーンのどの段階でも、存在する元素やその量を把握することが重要になります。鉱物の抽出、電池の製造に元素分析を活用すれば、規制項目に適合し、電池のリサイクルにも役立てることができます。

詳細はこちら




材料試験と研究アプリケーションに関して、アジレントがお客様のお手伝いをさせていただきます。

お問い合わせページからアジレントの担当者にご連絡ください。また、ご登録いただくと、教育イベント、ウェビナー、製品など、材料試験と研究アプリケーションに関する最新情報をアジレントから受け取ることができます。

お問い合わせ

DE000315