【NEW】LC/Q-TOF 用 ExD セル

LC/MS システム

【NEW】LC/Q-TOF 用 ExD セル

Agilent ExD セルは、Agilent 6545XT AdvanceBio LC/Q-TOF の追加アクセサリです。電子捕獲解離(ECD)を導入することで、ペプチドとプロテインの特性解析を行うプラットフォーム機能を強化します。ECD は、従来の衝突誘起解離(CID)を補完する分子フラグメンテーションの追加技術です。ExD セルを用いることで、インタクトプロテインをトップダウンからフラグメント化し、側鎖フラグメントにより同重体残基を区別して、グリコシル化やリン酸化などの脆弱な修飾を維持しながら有益なフラグメントを生成することが可能になります。

ExD セルの高い ECD 効率により、ExD の機能はより低い電荷(≥ 2+)の分析対象にまで拡張され、電子解離技術における従来の制約を克服できます。超高真空や最大 4,000 m/z の四重極マスフィルターなどの 6545XT のメリットと組み合わせれば、より大きなタンパク質のトップダウンおよびミドルダウンの特性解析にも最適な選択肢になります。

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特長

  • 非常に効率の高い ECD により、最大の性能を引き出すためのパラメータの微調整に費やす時間が短縮され、検出が難しい存在量の少ないペプチドやプロテインへの適用性が向上します。
  • 豊富な ECD スペクトルは、ボトムアップペプチドマッピング用の Agilent BioConfirm 12.1 またはトップダウン分析用のフリーウェアツール ExDViewer を使用して、迅速かつ直感的で確実な解釈を可能にします。
  • ExD セルをコリジョンセルの後に配置することで、ExD のパラメータは上流の光学系による影響から切り離されて操作が簡素化され、メソッド設定が効率化されます。
  • ExD セルはオンサイトでの据付が可能で、6545XT LC/Q-TOF ユーザーが後付けすることができ、6545XT LC/Q-TOF への既存の投資を最大限に活用できます。
  • チューンミックスに添加された有機溶媒溶解性ペプチドからなる新しい化学チューニングスタンダードは、日常的なキャリブレーション、機器のチューニング、および ECD メソッドの初期化用としてワンボトルソリューションを提供します。
  • このシステムは、超高真空や最大 4,000 m/z の四重極マスフィルターなどの 6545XT 固有の特長との相乗効果で、より分子量の大きなタンパク質のトップダウンおよびミドルダウンの特性解析に最適です。

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機能および原理

  • 高速かつ高効率な電子捕獲解離

    Agilent ExD セルは、優れた電子捕獲解離(ECD)効率を実現し、プロテインの構造、配列、修飾に関する重要な知見を提供します。ガス圧と静電電圧を高い精度で制御することで、分析対象イオンの連続ストリームと捕捉された低エネルギー電子雲との間の相互作用が促進されます。結果として得られる高効率 ECD により、わずか 2 つの電荷しか持たないペプチドに対しても豊富なフラグメントイオンが生成されます。
  • 相補的フラグメンテーションによる包括的なタンパク質特性解析

    従来の衝突誘起解離(CID)では、主に b 型イオンと y 型イオンが生成されます。対照的に、電子捕獲解離(ECD)は、不安定な翻訳後修飾を維持しながら c 型および z 型のイオンを生成し、大きなペプチドやプロテインに対してさらに多くのフラグメンテーションが行われます。相補的なフラグメンテーション技術(ECD および CID)を実績のある Agilent 6545XT Q-TOF LC/MS プラットフォームと組み合わせることで、PTM 分析、ペプチド配列決定、トップダウンおよびミドルダウン分析のための包括的なソリューションを構築できます。
  • ExDViewer を用いてトップダウン分析を簡単に開始

    Agilent ExDViewer ソフトウェアを使用すれば、情報豊富なトップダウン MS/MS スペクトルを解釈し、確実にシーケンスを確認することができます。ExDViewer は、トップダウンおよびミドルダウンのタンパク質特性解析を始める際の障壁を下げるシンプルで直感的な操作を提供します。 今すぐ無料でアクセス.

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アプリケーション

  • グリコシル化やリン酸化などの不安定な修飾の特性解析

    グリコシル化やリン酸化などの生物学的に重要な特定のタンパク質修飾は、CID によって断片化されやすく、修飾構造や修飾部位に曖昧さがあるスペクトルが生成されます。一方 ECD は、不安定な修飾をそのまま保持する傾向があり、修飾が保持されたアミノ酸骨格フラグメントイオンを生成し、修飾の質量と部位に関する情報が直接提供されます。抗体消化物からの糖ペプチドに関するこの例では、ECD は糖鎖を G0F として明確に特長付けるフラグメントイオンを生成します。
  • アミノ酸異性体を側鎖フラグメントで区別

    アミノ酸異性体は通常、インタクト質量分析および CID では区別できません。ECD は、ロイシン/イソロイシンとアスパラギン酸/イソアスパラギン酸を直接区別するアミノ酸側鎖フラグメントを生成することができます。これは、抗体の相補性決定領域を特長付ける上で特に重要です。これらの領域での置換または修飾によって、抗原結合が大きく変化する可能性があるためです。この例のスペクトルでは、ECD フラグメントイオンが、合成ペプチドの特定の位置にあるイソアスパラギン酸およびイソロイシン残基の証拠を示しています。
  • トップダウンのプロテイン特性解析

    「トップダウン」プロテイン特性解析では、インタクトプロテインのプリカーサがフラグメント化されます。情報の詳細度が ECD によって大幅に向上し、酵素消化を必要とせずに中程度の大きさのプロテインの直接的な配列確認や、プロテオフォームレベルでの組み合わせ修飾の分析が可能になります。インタクト炭酸脱水酵素(29 kDa)の 20+ 前駆体の ECD の結果、84 % のアミノ酸配列カバレッジが得られ、フラグメンテーションパターンには配列情報イオンが豊富に含まれていました。

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