誘導結合プラズマおよび原子吸光用自動希釈装置

新しい Agilent ADS 2 のような自動希釈装置は、分析者が手作業で行っていた多くの手間のかかる作業を自動化します。ADS 2 などの自動希釈システムを使用することにより、時間の節約、データ品質の向上、サンプル分析コストの削減が可能になります。アジレントでは、ICP-OES、ICP-MS、フレーム AAS 用の自動希釈装置を提供しています。この自動希釈装置が、どのようにしてラボのワークフローを変革できるのかをご覧ください。


ICP-OES および ICP-MS 用自動希釈

アジレントが設計・製造した Advanced Dilution System(ADS 2)は、Agilent ICP-OES および ICP-MS と統合されています。

次のような一般的な希釈作業をすべて自動化できます。

  • 標準溶液の調製
  • サンプルの測定前希釈
  • 検量線範囲外サンプルの再希釈と再測定
  • 内標準または QC 溶液の不合格後の再希釈

これらの作業を自動化することにより、分析者の負担を軽減して、手作業での希釈による人的ミスのリスクを排除し、サンプルスループットを向上できます。



フレーム AAS 用自動希釈装置

Agilent サンプル導入ポンプシステム(SIPS)は、フレーム原子吸光分光分析システム用のオプションの希釈システムです。
次の 2 つのモデルで使用できます。

  • シングルポンプ SIPS 10:オンライン検量線作成およびサンプル希釈を行います。
  • デュアルポンプ SIPS 20:サンプルのインラインスパイクおよびサンプルへの修飾剤添加機能が追加されています。

SIPS ユニットでは、単一の標準原液からの最大 10 種類の検量線作成、検量線範囲外サンプルの希釈、単一の標準からの標準添加法検量線の作成、分析スパイクの導入、化学修飾剤と緩衝液の添加、装置のダイナミックレンジの拡張が可能です。




自動希釈の実例

ICP-MS と自動希釈装置による EPA 6020 分析の自動化

このアプリケーションノートには、自動化システムの設定、メソッドパラメータ、6 種類の CRM の代表的な結果が記載されています。

ICP-MS アプリケーションノートのダウンロード

ICP-OES による土壌分析の自動化ワークフロー

このアプリケーションノートでは、ADS 2 自動希釈装置が接続された ICP-OES が、高マトリックスサンプルの生産性の高い分析にどのように使用できるのかを示しています。

ICP-OES アプリケーションノートのダウンロード

SIPS アクセサリ使用時の最適なパフォーマンス

このアプリケーションノートでは、最高の性能を達成するための SIPS アクセサリの設定方法と使用方法について説明しています。

SIPS アプリケーションノートのダウンロード

元素分析ラボにおける自動希釈および自動希釈装置の使用に関する一般的なご質問にお答えします。

自動希釈システムを使用する利点には、次のようなものがあります。

  • 人的ミスのリスクなしに、より信頼性の高い結果が得られる
  • 手作業での希釈が減るため、分析者が他の作業に専念できる
  • 手作業での希釈と比較して、精度と正確性が向上する
  • ピペッティングに費やす時間が短縮されるため、チームの健康と安全性が向上する
  • 24 時間体制での分析が可能になるため、サンプルスループットが向上する
  • スループットが向上することにより、1 サンプルあたりのコストが削減される
  • 結果を得るまでのターンアラウンドタイムが短縮される

ADS 2 自動希釈装置は、希釈係数 400 倍まで溶液を希釈することができ、SIPS は 200 倍まで希釈することができます。

  

規制メソッドでは通常、10 倍または 20 倍の希釈を使用します。ただし、ADS 2 も SIPS も、2 倍、5 倍、50 倍、またはそれ以上の希釈の場合でも、サンプル濃度を検量線範囲内に戻すために必要な希釈を、個々の限界まで正確に実施することができます。

ADS 2 のメンテナンスは使用状況に応じて行いますが、この作業はソフトウェアのアーリーメンテナンスフィードバック機能を使用することにより、自動化することができます。年 1 回の点検サービスも推奨されます。

  

SIPS のメンテナンスでは、次の作業を推奨します。

  1. チューブのチェックとネブライザの吸引量を毎日チェックする。
  2. ハードウェアの清掃と点検を毎週実施する。
  3. 定期的に希釈精度を試験する。精度が許容できない範囲になった場合は、ポンプバンドとポンプチューブの交換が必要になることがあります。ポンプチューブとポンプバンドは、使用状況にもよりますが、毎月交換する可能性もあります。



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