Advanced Dilution System ADS 2

原子分光分析の自動化

Advanced Dilution System ADS 2

Agilent Advanced Dilution System 2(ADS 2)は統合型の自動希釈システムです。標準溶液の調製、分析前のサンプルの希釈、検量線範囲外のサンプルや QC 溶液の不合格による再希釈の前処理など、ミスの起こりやすい手作業での煩雑な手順を自動化することにより、ラボワークフローを簡易化します。これらのタスクを自動化することより、分析者の時間を節約でき、人為的ミスのリスクが低減され、サンプルスループットが向上します。

ADS 2 は Agilent ICP-OES および ICP-MS とシームレスに連携します。ICP Expert および ICP-MS MassHunter ソフトウェアに統合されており、完全に制御することが可能です。生産性とシンプルさを念頭に設計された ADS 2 がラボワークフローにもたらす変化について説明します。

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特長

  • 自動希釈アシスタントが各標準を正確に作成するための希釈係数を計算
  • 希釈が不要なサンプルは希釈装置をバイパスするため、サンプル分析時間が最適化され、優れたスループットが実現
  • カスタマイズされた分析対象物希釈リストにより、検量線範囲外の希釈から必要に応じて元素を除外し、不要な希釈を回避
  • 結果概要で一連のサンプル測定に最適な結果が選択されるため、データ解析とレポート作成が容易
  • メソッド設定が簡単で、パラメータ設定値がチューブとサンプルループの長さに最適化されており、できる限り迅速な稼働開始が可能
  • 設置面積が少なく、ICP やオートサンプラのすぐ近くに配置できるため、チューブの長さを最小限に抑えて、サンプルスループットの大幅な向上が可能
  • リアルタイムの流路アニメーションによって、サンプル、内標準、リンス溶液、希釈液、キャリア溶液の流れの方向が表示され、設定、メンテナンス、トラブルシューティング中の状況を完全に可視化
  • 充実したヘルプ & ラーニングセンターにより、迅速な設定、簡単なユーザートレーニングやトラブルシューティングを実現
  • アーリーメンテナンスフィードバックが洗浄とメンテナンスのタイミングを自動で通知。カウンタは赤・黄・緑で表示され、注意が必要な処置を一目で把握可能
  • 装置テストによって運転ステータスを確認できるため、ハードウェアの動作の信頼性が向上

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機能および原理

  • 標準の自動調製

    購入した標準原液やラボで調製した溶液から、サンプル分析用の標準溶液が自動で調製されます。自動検量線作成アシスタント機能を用いて、検量線範囲と標準液の数を指定します。ADS 2 自動希釈装置は最大で 400 倍の希釈に対応。試薬の処理が最小化され、安全性が向上し、汚染が低減されます。
  • 指定された希釈リストに基づく自動希釈

    分析ラボでは、サンプル前処理の効率化が不可欠です。一般的なサンプル(土壌、海水、化学物質など)の分析前希釈は、多くの時間を消費します。このプロセスを指定された希釈リストに基づく自動希釈によって自動化することで、より重要なタスクに時間を割り当てることが可能です。ADS 2 は、ユーザーが指定した希釈係数で ICP へ正確にサンプルを供給し、分析結果の品質を高め、ラボウェアの使用を低減します。
  • 自動希釈

    地下水や廃水など、予測しにくいサンプルでは、成分濃度がメソッドの検量線範囲や直線範囲を超えることがよくあります。さらに、予想外に高マトリックスのサンプルによって内部標準エラーが生じ、時間が浪費され、分析後の希釈や再分析が必要になる場合もあります。アジレントの ADS 2 は必要な希釈係数をインテリジェントに計算し、サンプルが有効な検量線範囲内に収まるようにします。結果概要レポートには各元素に最適な結果が選択・表示され、効率的にデータを確認できます。

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