LC-ICP-MS 接続キット
Agilent LC-ICP-MS 接続キットには、Agilent 1200 LC と Agilent 7700 および 7500 ICP-MS を簡単に接続するのに必要なすべての部品が揃っています。LC と ICP-MS の完全な同期化に必要な接続金具、PFA チューブおよびケーブルがすべて含まれています。また、内標準を 7700 搭載ポンプからポストカラムに追加できます。これにより、分析の柔軟性が高まり、ポイントごとの継続的な補正が可能になるため、最終的なデータ品質が向上します。
完全統合した LC-ICP-MS 分析
Agilent 7700 シリーズ サンプル導入プラズマシステムおよびインターフェースは、日常的に有機サンプルを処理できるように設計されています。高温プラズマやインターフェースのローディングは必要ありません。メタノールや 65% アセトニトリル (ACN) などの一般的な移動相を、長時間にわたって ICP-MS に導入することができます。カラムからの溶出物は、接続ブロックを経由して、標準的なネブライザ/スプレーチャンバに直接送られます。こうした設計により、ICP-MS は LC分析において、きわめて感度の高い元素検出器として機能します。
一般的な分析では、較正標準物質、未知のサンプル、任意の QC サンプル (リテンションタイムの再較正に使用されるサンプルなど) に関する情報を含む ICP-MS シーケンスが作成されます。LC シーケンスはサンプル導入をコントロールし、その後、「開始」シグナルを ICP-MS に送ります。データ採取後、プラズマ・クロマトグラフィ・ソフトウェア (Plasma Chrom) がピークを自動的に検出および積分し、標準物質の分析により得られた反応曲線をもとに、サンプルから検出された各化合物に関する定量データを生成します。シーケンス実行中には、定量分析レポートがリアルタイムで自動的に印刷されます。または、あらためてデータを手動で処理し(異なる積分パラメータを使用する場合など)、オフラインで定量することも可能です。
使いやすさ
クロマトグラフィデータの解析は、MassHunter ソフトウェアスイートの Agilent 7700 Plasma Chrom コンポーネントにより実行されます。このソフトウェアでは、リアルタイムでのクロマトグラフィデータの解析が初めて可能になりました。アジレントの定評あるクロマトグラフィソフトウェアをもとに開発されたPlasma Chrom は、リアルタイム QC、高度なピーク積分ルーチン、ターゲット物質の確認など、クロマトグラフィ分析に求められるあらゆる機能を搭載しています。完全統合型の Agilent LC-ICP-MS システムは操作も容易で、R&D にもルーチン分析にも適しています。
アプリケーション
環境、臨床、生物研究、製薬研究、品質管理といった分野では、日常的な使用や夜を徹しての稼動が可能な統合型の LC-ICP-MS 分析が求められます。そうした要望に応じて、アジレントは完全に自動化された LC-ICP-MS インターフェースを開発しました。微量元素に関連する異なる化合物種や形状、酸化状態、生体分子などの定量が求められるあらゆる分析に、LC-ICPMS を適用することができます。また、ICP-MS には同位体組成を測定する機能があるため、同位体比の測定、同位体希釈分析、同位体スパイク回収、トレーサー分析なども可能です。
上のデータは、12時間の長期安定性試験により得られたものです (12時間におけるサンプルバイアルの個別結果から得られた 20 のクロマトグラムを重ね表示)。サンプルには有機スズ混合液を用い、移動相にはアセトニトリル (65%) と酢酸 (10%) を使用しました (TBT ピークの直前に、少量の汚染が確認される可能性があります)。また、右に示す微量レベル (pg/g) におけるトリブチルスズの較正結果では、Agilent 1100 LC と 7500 ICP-MS を組み合わせたシステムの比類なき感度が示されています。最適化条件の変更やリテンションタイムの較正は行なっていません。上の図では、システムの優れた安定性と再現性が明らかに示されています。
アジレントの LC-ICP-MS は、スペシエーション分析における新たな可能性を切り開くものです。このシステムの長時間にわたる再現性により、サンプルマトリックスにおける化合物種の相互変換や平衡の研究が初めて可能になります。こうした特長は、新たなスペシエーション標準やスペシエーション分析のバリデーションの開発において、きわめて大きな意味を持っています。
データ提供:LGC(英国)