Rapid-MS:迅速分析に適したキャピラリカラム
GC/MS(/MS)測定に必要な分析時間は 1/3~1/5に短縮
バリアンの Rapid-MS キャピラリカラムは、低圧キャピラリガスクロマトグラフィの原理に基づき、 質量分析計の真空を利用することによって分析時間の大幅短縮を可能にしました。 これにより、1日で分析できる検体数が増加し、作業効率・コストパフォーマンスの両方を改善することができます。
理論に基づいたRapid-MSの技術
質量分析計に繋がったキャピラリカラムは常に真空の環境下にあります。 内径 0.25 mm のキャピラリカラムでは、真空の影響を受けたとしても同等の高分解能が得られる線速度はわずか 3倍ですが、 内径 0.53 mm のキャピラリカラムでは真空の影響を受けると線速度は約 10倍に増加します。 Rapid-MS は内径 0.53 mm の分析カラムを採用しているため、より迅速な測定が可能になります。
また、一般的に内径の太いキャピラリカラムを使用すると分解能が悪くなる傾向がありますが、 Rapid-MS ではこのような理論と、独特の構造を組み合わせることによって、通常のキャピラリカラムとほぼ同じ分解能を達成しています
インジェクション方法はそのまま
GC/MS 分析では、インジェクタの入口は常に陽圧状態ですが、 MS 側は真空状態にあり、分離は陰圧下で行われます。 Rapid-MS には内径 0.1 mm のリストリクタが分析カラムの前に装着されているため、 通常のインジェクション方法ですぐにご使用いただけます。 分析に最適なインジェクション方法(スプリット、スプリットレス、PVT、大量注入等) を安心して選択できます。
このような構造を採ることにより、細いリストリクタで凝縮されたサンプルは、 太い分析カラムに到達した瞬間に真空の影響を受け、サンプルバンドは再凝縮されます。 この機構を採用した Rapid-MS で得られる結果は、通常のキャピラリカラムで得られる結果とほぼ同じ分離能を有しています。
農薬の分析例
(上図:VF-5ms 0.25 mm × 30 m、下図:Rapid-MS 0.53 mm × 1 0m)
Rapid-MS によるクロマトグラムの拡大図
PBDE 分析例
(上図:VF-5ms 0.25 mm × 15 m、下図:Rapid-MS 0.53 mm × 10 m)
価格表
部品番号 | 品名 | 価格 |
---|---|---|
CP8131 | VF-5ms Rapid-MS 10m x 0.53 mm x 0.12um | 245,000 |
CP8132 | VF-5ms Rapid-MS 10m x 0.53 mm x 0.25um | 245,000 |
CP8133 | VF-5ms Rapid-MS 10m x 0.53 mm x 0.50um | 245,000 |