ヘラクレス(Herculase) II fusion DNA ポリメラーゼ
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ヘラクレス(Herculase) II fusion DNA ポリメラーゼはルーチンおよび困難なPCRにおいて優れた収量を速い伸長反応で実現します。PCRターゲットの中にはGC-含有量や構造が原因で増幅が困難な場合があります。アジレント(旧ストラタジーン)のヘラクレス(Herculase) II fusion DNA ポリメラーゼはGC-リッチや複雑なターゲットの増幅を成功へと導きます。その上、ヘラクレス(Herculase) II DNA ポリメラーゼはTaq DNA ポリメラーゼの6倍の正確性という、Pfu DNA ポリメラーゼと同等のフィデリティーを兼ね備えています。
二本鎖DNA結合ドメインとDNA ポリメラーゼを融合することにより、ヘラクレス(Herculase) II fusion DNA ポリメラーゼの一回の結合あたりに連結できるヌクレオチドの数(Processivity)を格段に向上させませした。このドメインはDNA ポリメラーゼをテンプレートDNAにより強力に結合し、初期段階においてのDNA ポリメラーゼのテンプレートDNAからの乖離を防ぎます。向上したProcessivityは高いPCR収量を実現し、短い伸長時間を可能にすることにより、トータルのPCR反応時間を短縮します。
ヘラクレス(Herculase) II fusion DNA ポリメラーゼは他のいかなるPCR酵素より力強く、比較にならないほどのアンプリコン収量を実現します。この優れた性能はArchaeMaxx polymerase enhancing factor や特別に最適化されたヘラクレス(Herculase)・バッファーとともに、ヘラクレス(Herculase) II DNA ポリメラーゼの高いProcessivityにより実現されます。6kb(図1A)や1.7kbのゲノム断片(図1B)などのルーチンの増幅には、ヘラクレス(Herculase) II DNA ポリメラーゼは最短15秒/kbの伸長時間ですばらしい収量を実現します。
ヘラクレス(Herculase) II fusion DNA ポリメラーゼは増幅が困難なターゲットの増幅にも最適です。特別な酵素組成と最適化されたバッファーにより増幅が困難なターゲットを速い伸長時間で高収量で増幅することを可能にします。図2で示されているように、ヘラクレス(Herculase) II DNA ポリメラーゼは競合他社のポリメラーゼが増幅できない、あるいは低い収量しか示さないGC-含有量が85%までのターゲットを簡単に増幅します。PCRの補助としてDMSOが付属しており、困難なターゲットを増幅する時に添加できます。
アジレント(旧ストラタジーン)はArchaeMaxx factor をPyrococcus furiosusから単離し、高フィデリティー酵素に添加しました。ArchaeMaxx factor の添加により、PCR阻害物が除去され、短い伸長時間、高収量、長い最大増幅鎖長を実現します。ArchaeMaxx factor はアジレント(旧ストラタジーン)の多数の酵素の重要な成分となっています。ArchaeMaxx factor はPCR中のdCTPの脱アミノ化によるdUTP蓄積によって引き起こされる"dUTPによる阻害"を克服することによって、Pfu DNA ポリメラーゼによる産物の収量を向上させます(1)。dUTPによる阻害はPfuやその他多数の高熱菌性プルーフ・リーディング・ポリメラーゼ、VentRやDeep VentR DNA ポリメラーゼによる増幅に悪影響をあたえます(2)。ArchaeMaxx factor はdUTPaseとして機能し、阻害性のあるdUTPを阻害性の無いdUMPと無機ピロリン酸へ変換し、その結果、PCRパフォーマンスを格段に向上します。
ヘラクレス(Herculase) II fusion DNA ポリメラーゼは幅広い長さのテンプレート(12kbまでのゲノムターゲット)を高感度で増幅します。ヘラクレス(Herculase) II DNA ポリメラーゼは3.9kbのヒトa1-antitrypsin遺伝子を最小で1ngのヒトゲノムDNAから増幅しました(図3)。対照的に、競合他社の酵素はより低い感度と特異性を示しました。ヘラクレス(Herculase) II DNA ポリメラーゼは少量のDNAから高い正確性でターゲットを増幅します。
図1 速い伸長反応で高収量 ヘラクレス(Herculase) II fusion DNA ポリメラーゼはヒトゲノムDNAから(a)6Kb (b)1.7Kb の断片を伸長時間15, 30, 45, 60秒/Kbで高収量で増幅しました。実験は各酵素推奨のバッファーを用い同じ条件で行いました。
図2 優れたGC-リッチターゲットの増幅 ヘラクレス(Herculase) II fusion DNA ポリメラーゼは競合他社のポリメラーゼが増幅できない、あるいは低収量を示すGC-含有量が85%まのでターゲットを簡単に増幅しました。IGFB, Insulin-like growth factor binding protein 3 (79%GC, 250bp); FMRI, fragile X mental retardation syndrome protein (84%GC, 300bp); HTR, hydroxytryptamine receptor C2 fragment (65%GC, 540bp); MMZ5, ZIC5-zinc family member 5 protein )68%GC, 562bp) 全ての反応は各社推奨のバッファーおよびGC-リッチ・ターゲット用の反応条件で行いました。
図3 高感度で増幅 3.9Kbのa1-antitrypsin遺伝子を0, 1, 10, 50, 200ng(レーン1~8)のヒトゲノムDNAから増幅しました。ヘラクレス(Herculase) II fusion DNA ポリメラーゼは最少で1ngのDNAからターゲットを増幅しました。対照的に競合他社のポリメラーゼはより低い感度を示しました。全ての反応は各社推奨のバッファーおよび反応条件で行いました。
Footnotes 1. Hogrefe, H., et al. ( 2002), Proc Natl. Acad. Sci. USA 99: 596-601 2. Fogg, et al. ( 2002), Nat Struct Biol. 9(12): 922-927
VentR and Deep VentR are registered trademarkes of New England Biolabs.