透過型 FTIR の仕組み
透過型 FTIR 分光分析では、入射した赤外線がサンプルを透過して、FTIR 検出器(反対側)で測定され、スペクトルが生成されます。
透過型 FTIR は汎用性の高い技術ですが、従来の分析メソッドは複雑でエラーが発生しやすく、サンプル前処理に時間がかかる場合があります。しかし、最新のサンプリングモジュールでは、多くの場合、セル、キュベット、ペレットプレスは必要ありません。
フーリエ変換赤外(FTIR)分光分析を実施する従来の方法は透過型モードです。透過型 FTIR 分光分析は、液体、気体、粉末、フィルムに適しています。透過型 FTIR の仕組み、使用可能なさまざまな種類の透過型サンプリングアクセサリ、それらのアプリケーションについて説明します。あるいは、FTIR の基本事項の詳細については、FTIR 分光分析に関する FAQ および FTIR アプリケーションガイドをご覧ください。
透過型 FTIR 分光分析では、入射した赤外線がサンプルを透過して、FTIR 検出器(反対側)で測定され、スペクトルが生成されます。
透過型 FTIR は汎用性の高い技術ですが、従来の分析メソッドは複雑でエラーが発生しやすく、サンプル前処理に時間がかかる場合があります。しかし、最新のサンプリングモジュールでは、多くの場合、セル、キュベット、ペレットプレスは必要ありません。
従来のメソッドでは、多くの場合、固体サンプルはペレット状に押し固める必要があり、液体サンプルでは、通常、取り外し可能なセルやフローセルを使用する必要があります。ただし、これらは壊れやすく、組み立てるのも複雑です。また、リークする傾向もあり、設計上、再現性のある光路長を得るのが困難です。さらに、気泡により分析が妨げられる場合もあり、洗浄が困難で、吸着性/粘性サンプルを導入するのも困難です。
Agilent Cary 630 FTIR 分光光度計、4500 および 5500 可搬型 FTIR 分光光度計には、DialPath または TumblIR サンプリングモジュールを搭載することができます。DialPath は、従来の透過セルの可変光路長機能と、減衰全反射(ATR)メソッドの使いやすさおよび簡便性を兼ね備えています。
ほとんどの FTIR 分光光度計には、透過型 FTIR モジュールと ATR サンプリングステーションが搭載されています。Agilent TumblIR(単一光路長)および DialPath(多光路長)透過型 FTIR アクセサリは、従来のフローセルや取り外し可能なセルを使用しなくても、液体や薄膜を高速かつ簡単に測定できます。
Cary 630 FTIR 分光光度計は、多様なサンプリングモジュールに対応しており、即座に別のサンプリングモジュールに切り替えられる機能を備えています。Agilent 4500 および 5500 可搬型 FTIR 分光光度計は、ATR、TumblIR、または DialPath モジュールと組み合わせて購入することもできます。
DialPath アタッチメントは、あらかじめ設定された 3 つの光路長を利用することができ、希釈しなくても、同一サンプル中の強度の異なる複数のピークを 1 回の分析で測定することができます。これにより、幅広い濃度とピーク強度の定性的なライブラリ照合と定量分析の両方に対応できる汎用性が得られます。DialPath アタッチメントは、ポリマー薄膜の測定にも使用できます。
DialPath サンプリングモジュールを搭載した Cary 630 FTIR 分光光度計を使用して、FTIR 液体分析をどのようにして高速かつ簡単に実施できるのかをビデオでご覧ください。
DialPath は、産業界や学術界における多様なアプリケーションでの透過型 FTIR による測定に使用されています。DialPath アプリケーションノートをご覧いただくか、またはウェビナーで液体サンプル分析においてセルが必要ないことをご覧ください。
減衰全反射(ATR)は、FTIR 分光分析の最も一般的なサンプリング手法です。ATR-FTIR は、液体、固体、粉末、半固形、ペーストなど、広範な種類のサンプルをすばやく簡単に測定可能です。
反射型 FTIR には、固体サンプルから高品質のスペクトルデータを取り込むためのさまざまな技術が搭載されています。鏡面反射は反射性の表面で、拡散反射は粉末で発生します。反射吸光グレージングアングル FTIR では、サブミクロンの薄膜や表面の汚染物質を測定します。