VacIon Plus 40 ポンプ

イオンポンプとコントローラ

VacIon Plus 40 ポンプ

Agilent VacIon Plus 40 は排気速度 40 L/s の中型イオンポンプです。電子機器を真空化する汎用 UHV/XHV システムや走査電子顕微鏡(SEM)の他、学術研究および高エネルギー物理(HEP)研究での使用に適しています。

安定した真空と低漏れ電流を特長とし、SEM アプリケーションで重要なコンポーネントを保護します。アジレントの特許取得済みのアノード設計と StarCell エレメントの組み合わせることで、電子ビームカラムを最適化する強力なソリューションとなっています。高電圧(HV)フィードスルーなどのオプションをお客様が選択できるため、システムに簡単に組み込むことができます。

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特長

  • 排気ガスに応じてエレメントを StarCell、ダイオード、ノーブルダイオードから選択することで、それぞれに最善の排気速度を実現可能
  • ConFlat 2.75 インチ非回転式フランジ、追加の 2.75 インチ ConFlat ポート、および選択可能なフィードスルー(Fischer、King、DESY、Varian、SHV 10kV(Safeconn))を異なる方向に搭載
  • 可動部品がなく、動作時に振動が発生しないため、高感度アプリケーションに最適
  • 低漏れ電流により安定した真空圧値を提供
  • 低磁場のためシステムへの干渉が最小限
  • 400 ℃未満での真空処理と真空下でのピンチオフにより、設置前に清浄性と真空の完全性を確保
  • ニーズに合わせてさまざまな高電圧フィードスルー、本体形状、追加ポート、ポンプセル構成でカスタマイズ可能、また光学シールドバッフル、外部ヒーター、および磁気シールド付きも提供
  • 電気的干渉を最小限に抑えた超低漏れ電流で高安定性の SEM バージョンをご用意
  • お客様固有の要件に応じた特殊な試験手順を追加可能

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仕様

  • エレメントタイプ
    • StarCell
    • ノーブルダイオード
    • ダイオード
    • SEM
    フィードスルースタイル
    • Fischer
    • SHV
    ヒーター出力
    • 250 W
    ヒーター電圧
    • 100~120/200~240 V
    吸気口フランジ
    • 2 ¾ インチ CFF(NW 35)
    最高ベーキング温度
    • 350 °C
    最大始動圧力
    • ≤ 5 x 10-2 mbar
    動作寿命
    • 80,000 時間
    到達圧力
    • < 1 x 10-11 mbar
    重量(ポンプのみ)
    • 17 kg
    • 37 ポンド

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機能および原理

  • ダイオードエレメントの技術

    ダイオードポンプは、正電荷を持つアノードリングエレメントと負電荷を持つチタン(Ti)カソードで構成されます。これらのアノードとカソードが磁場に浸漬されることで、電子が周囲の気体分子に衝突してプラズマになり、ポジティブイオンが発生します。軽イオン(H2/He)はカソードに向かって加速して Ti 層をとおり抜ける一方、重イオンはカソードに衝突してアノードリングの内側に Ti を弾き飛ばします。H2、N2、O などのゲッタリング可能なガスは Ti と反応して捕獲されます。これらのスパッタリング効果とゲッタリング効果が同時に起こることで、ダイオードイオンポンプの排気効果がもたらされます。

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  • StarCell エレメントの技術

    希ガス(アルゴン)はカソードで捕捉できないため、排気時にアノードの方向に反射させる必要があります。これらの原子を反射させる方法には、より重いカソード材料(チタン)を使用するか、異なる形状(トライオード)を使用するかの 2 つがあります。StarCell イオンポンプは、改良型のカソード形状をベースにアジレント(旧 Varian)が開発したものです。カソードの形状を星形にすることで、希ガスが高エネルギーの中性分子として反射する可能性が高まり、チタンカソードにより、XHV 範囲では残留ガスとみなされる H2 の高い排気速度が確保されます。

  • SEM アノードの設計

    ポンプで発生するイオン電流は真空度に比例し、多くのアプリケーションでは、イオンポンプを走査電子顕微鏡(SEM)の場合と同様に真空ゲージとして使用できます。漏れ電流はイオン電流と重なるため、最小限に維持する必要があります。アジレントでは、空いている空間、鋭いエッジ、および金属ウィスカを低減することで漏れ電流を抑えるアノード設計の特許を取得しました。これらの予防措置が漏れ電流をきわめて低く保ち、望ましい圧力測定値を実現するうえで役立っています。

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