イオンポンプとコントローラ
Agilent VacIon Plus 20 ポンプは排気速度 20 L/s の中型イオンポンプです。学術研究や高エネルギー物理(HEP)研究における幅広い超高真空/極高真空アプリケーションの他、イメージングおよび放射線治療用の医療機器に最適です。
一般的な用途にはダイオードエレメント搭載のポンプを、またガス混合物を排気する場合は StarCell およびノーブルダイオードエレメント搭載のポンプをお選びいただけます。特許取得済みの StarCell エレメントは大量の希ガスや水素を処理し、メタン、アルゴン、ヘリウムに対して最高レベルの排気速度と排気容量を実現します。エレメントタイプ、一体型ヒーター、高電圧フィードスルーなどのオプションをお客様が選択できるため、システムに簡単に組み込み、粒子の放出のない一貫した UHV ポンプ性能が得られます。
エレメントタイプ |
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フィードスルースタイル |
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ヒーター出力 |
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ヒーター電圧 |
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吸気口フランジ |
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最高ベーキング温度 |
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最大始動圧力 |
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動作寿命 |
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到達圧力 |
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重量(ポンプのみ) |
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ダイオードポンプは、正電荷を持つアノードリングエレメントと負電荷を持つチタン(Ti)カソードで構成されます。これらのアノードとカソードが磁場に浸漬されることで、電子が周囲の気体分子に衝突してプラズマになり、ポジティブイオンが発生します。軽イオン(H2/He)はカソードに向かって加速して Ti 層をとおり抜ける一方、重イオンはカソードに衝突してアノードリングの内側に Ti を弾き飛ばします。H2、N2、O などのゲッタリング可能なガスは Ti と反応して捕獲されます。これらのスパッタリング効果とゲッタリング効果が同時に起こることで、ダイオードイオンポンプの排気効果がもたらされます。
希ガス(アルゴン)はカソードで捕捉できないため、排気時にアノードの方向に反射させる必要があります。これらの原子を反射させる方法には、より重いカソード材料(チタン)を使用するか、異なる形状(トライオード)を使用するかの 2 つがあります。StarCell イオンポンプは、改良型のカソード形状をベースにアジレント(旧 Varian)が開発したものです。カソードの形状を星形にすることで、希ガスが高エネルギーの中性分子として反射する可能性が高まり、チタンカソードにより、XHV 範囲では残留ガスとみなされる H2 の高い排気速度が確保されます。
ポンプで発生するイオン電流は真空度に比例し、多くのアプリケーションでは、イオンポンプを走査電子顕微鏡(SEM)の場合と同様に真空ゲージとして使用できます。漏れ電流はイオン電流と重なるため、最小限に維持する必要があります。アジレントでは、空いている空間、鋭いエッジ、および金属ウィスカを低減することで漏れ電流を抑えるアノード設計の特許を取得しました。これらの予防措置が漏れ電流をきわめて低く保ち、望ましい圧力測定値を実現するうえで役立っています。