保持型液液抽出(SLE)

保持型液液抽出(SLE)

保持型液液抽出(SLE)

保持型液液抽出(SLE)はカートリッジまたはウェルプレートを用いた抽出法です。原理は液液抽出(LLE)と同じですが、重要な利点がいくつかあります。SLE 抽出では、水溶性サンプルと相互作用する固定相として機能する、表面積の広い不活性な担体が使用されます。水溶性サンプルを SLE カートリッジまたはウェルにロードし、固相担体の表面に吸着されるのを待ちます。その後、不活性な担体に非混和性の有機溶媒を通過させて、塩や極性干渉物質など不要なマトリックスを残したまま目的成分を溶出します。

SLE カートリッジは、固相抽出(SPE)のような他のカートリッジベースの抽出とは異なり、元のサンプルを抽出用充填剤にロードしますが、通液はしません。そのため、アジレントの SLE カートリッジおよびウェルプレートフォーマットには、充填剤量ではなくサンプル量に従って名前が付けられています。ロードする総サンプル量に基づいて適切なフォーマットをお選びいただくことが非常に重要です。

SLE 抽出製品は、生体、食品、および環境サンプルに最適です。これらのサンプルの前処理をすばやく確実に実行できます。2 種類の液相間ではなく液相と固相との間で相互作用が起こるため、エマルジョンが形成されず、従来の液液抽出よりも抽出効率に優れています。また、SLE 抽出にはサンプルの混合や相分離といったステップが必要ないため、時間や労力が軽減されます。さらに、振とうも不要なため、自動化が容易です。

長年、SLE 抽出には充填剤としてケイソウ土が使用されてきました。ケイソウ土は製造されるわけではなく、採掘されるため、粒子サイズの管理が難しく、これが結果の品質低下の原因になります。合成 SLE 抽出製品である Chem Elut S は粒子サイズがコントロールされているため、すべてのバッチで一貫したフローと均一性が確保されます。これにより、分析者間、バッチ間のばらつきが最小限に抑えられ、再現性が高まります。

合成充填剤およびケイソウ土充填剤は、カートリッジ、96 ウェルプレート、VersaPlate など、さまざまなフォーマットでご利用いただけます。アプリケーションで必要な場合は、高純度のバルク充填剤もご用意しています。