これまで得られなかった洞察を提供する IntelliQuant スクリーニングは、これまで得られなかったサンプル情報を提供

ICP-OES メソッド作成は、適切なツールを使用しないと困難になる場合があります。ICP-OES は複雑なサンプル分析に最適であり、高 TDS % サンプルを簡単に分析できます。複雑なサンプルを分析する際に正しい結果を得るためには、干渉や不適当なサンプル前処理のような問題に対応できる、堅牢なメソッドを用意することが重要になります。分析結果が異常に高い場合、他の元素によるスペクトル干渉が起こっている可能性があります。逆に異常に低い場合は、試薬の問題が疑われます。分析前にサンプル中に含まれる物質を正確に知るためには、専門家レベルの知識が必要です。Agilent ICP-OES instrumentsを制御する ICP Expert Pro パッケージに付属している IntelliQuant スクリーニングを使用することにより、サンプル中に含まれる物質およびそれらを適切に測定する方法に関する情報が即座に得られます。これにより、複雑なサンプルでもメソッド作成が簡単になり、正しい結果を得ることができます。


IntelliQuant とは

Agilent 5800 ICP-OES および 5900 ICP-OES に付属している IntelliQuant は、強力で専用の半定量 ICP-OES 分析ツールであり、これを使用してサンプルの元素含有量をより詳細に知ることができます。 IntelliQuant は、すべてのサンプルについて 167~785 nm の全波長範囲でデータを取得し、包括的なデータを提供します。このようなデータは、すべての ICP-OES で得られるわけではありません。IntelliQuant スキャンを定量メソッドの一部として実行することにより、サンプルに関する追加の情報を即座に取得できます。また、スタンドアロンツールとして使用し、スクリーニングツール(IntelliQuant スクリーニング)として最小限の設定を使用することにより、半定量結果を即座に取得することもできます。



IntelliQuant スクリーニングがメソッド作成を支援する手法

IntelliQuant スクリーニングでは、元素の選択およびサンプルの内容に関して事前に知っておく必要はありません。オンボードのツールを使用して、即座にサンプルに関する専門家レベルの情報を取得し、シンプルな定量メソッド作成を実現できます。理解しやすい星ランキングシステムでは、次の点に注目します。

  • スペクトル干渉、バックグラウンドの変動、感度の低下に影響を受けやすい分析対象物の波長
  • 干渉がなく最適で良好な感度を実現できる分析対象物の波長


IntelliQuant スクリーニングにより実行できる処理

提供される個別のサンプルに関する貴重な情報は、使用する分析対象物の波長を決定するのに役に立ちます。

新しい定量メソッドは、IntelliQuant の情報から直接かつ簡単に作成できるため、半定量分析から定量分析にシームレスに移行できます。



IntelliQuant スクリーニングの使用は簡単

IntelliQuant スクリーニングのメソッド作成は、次の 3 つの簡単な手順で実行できます。

  1. IntelliQuant スクリーニングツールによりサンプルを分析
  2. 推奨される波長を新しい定量メソッドに追加
  3. IntelliQuant を有効にした状態で定量メソッドを実行

未知のサンプルに新しい定量メソッドを使用する際には、継続して IntelliQuant 測定を実行することにより、メソッド作成プロセス時に使用したサンプル中には存在せず、新たに発生するすべての干渉について調査できます。




お客様のメリット

下のビデオは、ルーチンワークフローに IntelliQuant スクリーニングを追加するのが簡単であること、および問題が発生する前に可能性のある問題をスクリーニングにより同定する方法を示しています。

この段階的な説明ビデオでは、Agilent ICP Expert ソフトウェアの 1 つのツールである IntelliQuant スクリーニングが、ICP-OES メソッド作成ワークフローを効率化する方法についてご覧いただけます。

IntelliQuant スクリーニングと経験を積んだ分析者の能力をともに使用することにより、新しいサンプルでの問題を簡単に特定できます。こちらのビデオでは、定量メソッドで干渉が発生する前に、IntelliQuant スクリーニングにより干渉を明確化する方法についてご覧いただけます。


アプリケーションノート

メソッドの設定、分析の最適化、成功への準備に役に立つアプリケーションノートを多数ご用意しています。IntelliQuant スクリーニングのような smartICP 機能を使用して、ICP-OES メソッド作成を支援するためのさまざまなアプリケーションを次に示します。


土壌分析用の栄養素元素の抽出

栄養素元素は、植物の成長や発育に影響を与えると同時に、Cd や Pb のような重金属が過剰に存在すると、生態系にとって有害になる場合があります。

Agilent ICP-OES および IntelliQuant スクリーニングを使用して、メソッド作成を簡素化して結果の信頼性を向上させる方法についてご覧ください。



粉ミルクおよび乳児用調製粉乳中の食品の品質保証および品質管理

規制機関が規定した厳密な栄養素の要件に合った粉ミルクおよび乳児用調製粉乳を製造することが重要になります。

IntelliQuant スクリーニングのようなスマートツールおよび Agilent ICP-OES を使用して、ISO 15151 メソッドに従った品質結果を保証する方法についてご覧ください。



US EPA メソッド 6010D に従った廃棄物サンプルの分析

環境中に存在する汚染物をモニタリングすることは、廃棄物管理の重要な部分です。環境サンプルは分析が困難な場合があり、高品質の結果を得ることが非常に重要です。

Agilent 5800 VDV ICP-OES のスマート機能を使用して、メソッド作成を簡素化し、結果の品質を保証します。




鋼鉄とその合金鋼の分析

元素不純物は、鋼鉄や合金鋼の製造における最終製品の性能に重大な影響を与える場合があります。鋼鉄には高濃度のさまざまな金属が含まれており、それらを分析するのは複雑になります。

これらの複雑なサンプル種での干渉を特定する際に、IntelliQuant スクリーニングが非常に重要になることをご確認ください。




正しい結果を得るためのその他の ICP Expert ソフトウェアの機能

ICP Expert ソフトウェアに搭載されているさまざまな smartICP 機能により、ハードウェアの性能だけではなくサンプルのメークアップに関するより詳細な情報が得られます。

IntelliQuant

Agilent IntelliQuant ソフトウェアの機能は smartICP ツールの 1 つであり、サンプル中の最大 70 元素の濃度を概算することにより(半定量)、サンプルに関するより詳細な情報を提供します。

詳細については、フライヤー『IntelliQuant for ICP-OES(ICP-OES 用 IntelliQuant)』をご覧ください。(英語)

Neb Alert

Neb Alert は Agilent ICP Expert ソフトウェアの smartICP 機能の 1 つであり、ネブライザの圧力をモニタリングします。また、高 TDS サンプルや粒状物質を含むサンプルの分析時に発生する可能性のある、詰まりやリーク全般に関する問題について警告します。

詳細については、フライヤー『Neb Alert for ICP-OES(ICP-OES 用 Neb Alert)』をご覧ください。(英語)

アーリーメンテナンスフィードバック機能

アーリーメンテナンスフィードバック機能(EMF)のアラートにより、精度の低下や感度の低下など、修理の依頼が必要な一般的な問題に対応します。EMF は修正を支援するための機能であり、修理の依頼のコストおよびダウンタイムが発生しないようにします。

詳細については、フライヤー『EMF for ICP-OES(ICP-OES 用 EMF)』をご覧ください。(英語)


バックグラウンド干渉の除去

アジレントでは、適合バックグラウンド補正(FBC)と呼ばれる独自の自動バックグラウンド補正アルゴリズムを使用して、複雑なマトリックスサンプルでは一般的である、サンプル間のバックグラウンドの小さいばらつきに自動的に対応します。

詳細については、フライヤー『FBC for ICP-OES(ICP-OES 用 FBC)』をご覧ください。(英語)

インテリジェントリンス

サンプル間のマトリックスにばらつきが存在する場合は、インテリジェントリンスを使用して、次のサンプルの分析前にマトリックスを確実に洗浄します。これにより、サンプルキャリーオーバーに起因するエラーを最小限に抑え、サンプルスループットを最大に高めます。

詳細については、フライヤー『Intelligent Rinse for ICP-OES(ICP-OES 用インテリジェントリンス)』をご覧ください。(英語)

アウトライヤ

アウトライヤ(OCF)機能を使えば、問題が疑われる結果を見つけ出すことができます。OCF 機能は、複数の設定可能なルールに基づいて分析画面の結果をチェックし、1 つまたは複数の色を使って色分けします。

詳細については、この ICP Expert テクニカルノート内の ICP Expert 機能をご覧ください。


その他のリソース

技術概要:Agilent IntelliQuant Screening(Agilent IntelliQuant スクリーニング)
技術概要:IntelliQuant Software(Agilent IntelliQuant ソフトウェア)
技術概要: Agilent ICP Expert Software(Agilent ICP Expert ソフトウェア)
フライヤー:IntelliQuant for ICP-OES(ICP-OES 用 IntelliQuant)(英語)
アプリケーションノート:Analysis of DTPA Extracted Soils per Chinese Standard HJ 804-2016(中国規格 HJ 804-2016 に従った DTPA 抽出土壌の分析)(英語)
アプリケーションノート:Determination of Nutrients and Micronutrients in Milk Powder and Infant Formula by ICP-OES(ICP-OES による粉ミルクおよび乳児用調製粉乳中の栄養素および微量栄養素の測定)(英語)
アプリケーションノート:Analysis of Waste Samples According to US EPA Method 6010D(US EPA メソッド 6010D に従った廃棄物サンプルの分析)(英語)
アプリケーションノート:Analysis of Steel and Its Alloys by ICP-OES Following the GB/T 20125-2006 Standard(GB/T 20125-2006 規格に従った ICP-OES による鋼鉄とその合金鋼の分析)(英語)
Atomic Spectroscopy Resource Hub(原子分光分析技術情報)
Agilent Community(アジレントコミュニティ)(英語)
Periodic Table of Standards(標準の周期表)
IntelliQuant Calibration Standards Kit(IntelliQuant キャリブレーション標準キット)(英語)