重要ポイント
- ラボで働く人々の層の変化に伴い、サービスサポートの内容も変化
- アジレントのサポートはリモートでもオンサイトでも専門家レベル
- アジレントのサービスサポートモデルはコミュニティが基盤
世界規模のパンデミックによって人々の生活が大混乱に陥るはるか前から、ビジネスやラボでの作業に影響を及ぼす変化の萌芽がすでに始まっていました。アジレントは、運営効率の目標の達成と改善を図るラボを支援するため、リモートサービスサポート、アジレントナレッジポータル、アジレントコミュニティといったプロジェクトを加速させてきました。
リモートサービスサポート
オンサイトサポートに代わって、リモートサポートサービスが提供されるケースが増加しました。その原因には、職場環境による制限だけでなく、より効率的でエネルギーと時間を節約できるサポートという点もあります。ラボで働く人々の層が変化し続ける中で、学習やスキル開発が進化しています。若いラボ作業者はサービスを依頼する前にオンラインで回答を探すことが多く、年長の科学者たちもデジタルツールを用いた問題解決がますます上達しています。
電話で技術サポートを提供するアジレントのチームは、お客様の問題の約 60 % を電話越しで解決しています。現在、その知識を活用し、得られた知見をさらにお客様に提供できるよう取り組んでいます。
サービス担当者がラボを訪問する際には、到着までに長時間お待ちいただく場合もあり、サービス提供までの待ち時間にはこの移動時間も考慮しなければなりません。このように、せっかくの専門知識が制限されてしまいます。リモートサポート担当者は、仮想現実ツール CrossLab Virtual Assist や高度なナレッジベースを駆使して、オンサイト訪問の数分の 1 の時間で多数の問題のトラブルシューティングと解決が可能です。アジレントのサービス運用担当バイスプレジデントの Debbie Steinberg は次のように述べています。「業務が制限された過去数年間で、アジレントのフィールドサービス担当者の多くは電話でユーザーをサポートしました。アジレントは、お客様が当社の専門家の知識を可能な限り活用できるよう、ハイブリッドモデルを継続していく方法を検討しています」。リモートアシスト用モバイルアプリCrossLab Virtual Assist は、人と人をビデオでつなぎます。リモート表示機能に加えて、対象をリアルタイムに「指し示す」デジタル注釈描画機能が搭載されています。
専門家レベルのサービス
オンサイト訪問が必要な場合は、アジレントの社内ナレッジベースが優れたサービスを提供いたします。現在のサービスエキスパートは、社内ナレッジベースによって管理されたサポート関連の大規模な社内データベースを活用し、お客様の機器ができるだけ早く稼働を再開できるよう支援します。
リモートの技術者は多くの場合、現場にいる技術者を最新の情報でサポートし、両者が協力して最新の所見を共有できるように調整します。グローバルカスタマーサービスオペレーション担当アソシエイトバイスプレジデントの Jason DiFraia は次のように説明しました。「アジレントのサービスをご利用いただくと、専門知識の包括的なエコシステムに加え、優れた体験を実現するデジタルツールのメリットをご理解いただけるでしょう。」
アジレントナレッジポータル
お客様のラボにアジレントのチームが提供する知識は、多数の人々の専門知識と長年の経験の集大成から導き出されたものです。新しいデジタルツールがそのような能力の活用を支援し、科学者が新たな方法で利用できるようにしています。
2021 年に開設されたアジレントナレッジポータルでは、世界各国のアジレント従業員 4,500 人以上によって作成され情報が一元的に共有されています。各記事は、一般的な問題と解決方法を文書化し、共有することを目的としています。「現在、https://community.agilent.com/knowledge へログオンすると、全世界の集合知にアクセスできます。科学者たちが必要とする回答を、アジレントが収集・整理し、クラウドソーシングしています」(DiFraia)
「ナレッジポータルでは、5 年前や 10 年前には不可能だった形で、チームの経験を統合しています。現在のデジタル技術によって、知識の源をより簡単に活用し、より早く共有することが可能になり、最終的には、より優れた体験をお客様にお届けすることができます」(Steinberg)
ナレッジポータルは、アジレントの 40 年以上にわたるクロマトグラフィーと分光分析の経験から得られた膨大な情報を基盤としています1。アジレントの社内ナレッジベースには何万ものデータポイントがあります。ナレッジポータルは、エンドユーザーに最もよく利用されると思われる情報を入念に収集・整理し、精査することで構築されました。
フィールドサービスエンジニアと製品サポートの専門家が作成する記事には、ビデオや手順ごとの説明が付いてるため、分かりやすく、自信を持って問題に対応できるようになっています。
開設当初は、お客様からよく寄せられる質問に回答する記事が数百本公開されていましたが、アジレントがシステムの情報レポジトリを拡充するにつれて、時間とともに拡大していく見込みです。
アジレントコミュニティ
アジレントコミュニティは、お客様が知識を共有し、互いに学ぶための方法として、普及が進むソーシャルメディアを活用することを目指し、2016 年に開設されました。アジレントのチームは、問題が拡大する前に検知して対応するための手段として、このプラットフォームが非常に有効であることを認識しました。
アジレントコミュニティのマネージャーである Kristen Sensabaugh は次のように語っています。「開始したときのユーザー数は 1,042 人でした。メンバー数はこの 1 年だけで 38 % 増加し、現在は 13,585 人が登録しています」。アジレントのエキスパートチームが、コミュニティ内で質問に回答します。「コミュニティ内でのやりとりから得られた知識は、カスタマーサポートのために運用されている社内および社外のナレッジポータルに直接提供されます」(Steinberg)
知識とコミュニティの融合
アジレントは、一層充実したリモートサービス、アジレントナレッジポータル、アジレントコミュニティによって、知識の利用と共有の促進を図っており、引き続きこの取り組みを拡大していきます。「これは、どのような形で回答を得られるかという『未来像』を示しています。アジレントは、アクセスとサポートをあらゆる分野のあらゆるタイプのユーザーに合わせて拡大することができるため、ユーザーは自らが望む手段で必要な答えを得ることができます」。DiFraia はこのように語りました。