細胞治療や遺伝子治療製品は複雑なので、臨床上の有効性をより正確に予測するには、製品属性を幅広く測定する必要があります。米国 FDA は、細胞治療や遺伝子治療製品の適合性試験、比較研究、安定性試験の一環として、効能試験の実施を推奨しています1。理想的な効能測定は、製品の関連する生物学的特性を反映し、その作用機序の特性を解析し、所定の成果をもたらす製品固有の能力を測るものでなければなりません。1 回の生体アッセイでは、効能が適切に測定されないことがあるため、製品をリリースするには、複数の補完アッセイを使ったマトリックス手法が必要となることがよくあります。
この仮想ラボでは、細胞工学、免疫表現型解析、エンジニアリングされた最適な免疫細胞の高スループットスクリーニングのためのソリューションを見ていきます。このような細胞治療の成功は、免疫細胞の選択的な工学的操作と、それに続けて、最適な候補物質を特定するために行われる幅広い生体外特性解析にかかっています。エンジニアリングされた免疫細胞の活性化、効能、消耗、代謝表現型を評価し、細胞の運命や適応度、機能を判断するためにアジレントが用意しているソリューションの数は増え続けています。
細胞治療や遺伝子治療製品について、特定のセルをターゲットし、下流での有効性や効能、安全性を検証する能力を測定します。
マルチパラメータのフローサイトメトリは、免疫細胞サブセットのモニタリングと特性解析のためのきわめて強力なツールです。免疫細胞の高次元分析により、恒常状態にある、または刺激に反応する免疫系の状態に関する詳細情報が得られます。
アプリケーションノートをご覧になって、ヒト末梢血中の主な免疫細胞サブセットの特性解析を行い、免疫細胞の状態と治療への反応の包括的な概要を得るために、5 レーザー搭載の AgilentNovoCyte Penteon フローサイトメーターがどのように使用されているかをご確認ください。
詳細については、 フローサイトメトリによる免疫表現型解析のページをご覧ください。
ドナー間での T 細胞集団の比較
キメラ抗原受容体（CAR）T 細胞などのエンジニアリングされた細胞治療は、がん細胞死の効能が向上するように最適化されています。CAR を最適化する間、生化学/生物物理学アッセイを使用して、細胞外領域の抗原のアフィニティや、溶性リガンドによってシミュレートされた CAR-T 細胞のサイトカインプロファイルなどの重要な品質特性を研究することができます。さまざまな CAR 構成をより厳密に比較し、トニック（抗原非依存の）シグナル伝達などの不要な挙動を特定するには、読み出し情報としてがん細胞死を使用して、免疫シナプスの複雑な環境の中での CAR の機能を評価するべきであることが広く認められています。
アプリケーションノートをご覧になり、生細胞イメージングとインピーダンスによる効能測定として、CAR-T 細胞によるがん細胞死を継続的にモニタリングするために、Agilent xCELLigence RTCA eSight がどのように使用されているかをご確認ください。
詳細については、リアルタイムの免疫細胞キリングアッセイのページをご覧ください。
酵素結合免疫吸収スポット（ELISpot）は、細胞が放出する分泌タンパク質を検出することにより、単一細胞レベルで生体外細胞免疫反応をモニタリングする高感度のアッセイです。これはサンドイッチ酵素免疫測定法（ELISA）から派生した手法で、分泌細胞の頻度を同定するために全細胞の使用に対応しています。
アプリケーションノートをご覧になり、比色分析 PVDF ELISpot アッセイプレートのイメージングと分析に Agilent BioTek Cytation 7 細胞イメージング マルチモードプレートリーダーとイメージング用 Agilent BioTek Gen 5 ソフトウェアがどのように使用されているかをご確認ください。
2 成分 ELISpot 検出の特異性
T 細胞の機能と細胞の代謝戦略の間には、患者にとって、より高い効能を発揮するよう細胞生成物を最適化するための免疫細胞治療と代謝調節の価値を強く示す、複雑な関係性があります。静止中または休眠中の T 細胞は、主にミトコンドリア酸化的リン酸化（OXPHOS）を利用して、エネルギー需要を満たしています。活性化した T 細胞は急速な代謝再プログラミングを受け、解糖への依存性を高め、全体的なエネルギー生産量を増やします。この切り替えにより、T 細胞はエフェクタ機能で必要な高いエネルギー需要を迅速に満たせるようになります。代謝表現型を測定することにより、代謝パスウェイを調節し、免疫細胞性能強化のために代謝プロセスをチューニングする機会が得られます。
アプリケーションノートをご覧になり、Jaco van Bruggen のチームがどのようにAgilent Seahorse XF テクノロジーを使用して、CLL 由来の CD8+ T 細胞が、ミトコンドリア適合性の低下に伴い歪曲した代謝プロファイルを示すことを実証しているかをご確認ください。
詳細については、免疫代謝のページをご覧ください。
活性化した T 細胞の代謝戦略
主要な文献
ウェビナー
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