モノクローナル抗体(mAb)ベースの物質は、急速に成長する生物製剤を代表するものであり、臨床試験とその後の販売の承認を得るために大規模な特性解析が必要になります。これらの分子の N-結合グリコシル化は、多くの生物学的プロセスで重要な役割を果たす複雑な翻訳後修飾であり、治療の効果、安定性、薬物動態、免疫原性に影響を及ぼします。糖鎖は組成が多様で、多数の異性体構造が存在する、特性解析が困難な翻訳後修飾です。
糖鎖は、インタクトグリコフォームとして、また遊離糖鎖として解析可能です。インタクトタンパク質レベルでグリコフォームをモニタリングすることで、迅速に結果が得られ、主要な糖鎖成分を効率的にスクリーニングできます。グリコシル化プロファイルをすばやく解決するこのメソッドは、糖タンパク質にO-結合型グリコシル化が存在するときには特に有用です。抗体を軽鎖と重鎖に還元し、IdeS 酵素で消化して、抗体のサブユニットを産出したあとで、グリコシル化パターンをプロファイルすることもできます。サブユニットグリコフォーム解析は、糖鎖プロファイルなどの翻訳後修飾に高い分解能を発揮します。
PNGase F は、N-結合型糖鎖を糖タンパク質から遊離します。検出感度を高めるため、遊離糖鎖に蛍光または質量分析感度タグでラベル付けし、HPLC または CE で分離してから、蛍光検出器または質量分析計で検出します。これにより非常に良好な定量が可能になり、質量分析で詳細に分析することにより、糖鎖構造を同定できます。アジレントの AdvanceBio Gly-X キットと InstantPC を用いて、ラベル化 N-糖鎖のサンプルを準備し、1 時間足らずで使いやすい 96 ウェルフォーマットにできます。このワークフローは、さまざまな種類のAdvanceBio ラベル化糖鎖標準でサポートされています。
アジレントは、データ品質を損なうことなく、糖鎖分析の効率化を可能にする手法と技術を提供します。AssayMAP Bravo サンプル前処理プラットフォームでの自動化により、人的エラーの可能性を低減し、再現性を高め、無人運転時間をさらに長くすることができます。AdvanceBio Glycan Mapping カラムとともに使用する 1290 Infinity II LC は、高速、高分離能で再現性の高い糖鎖分離を実現します。バイオ医薬品向けに設計された 6545XT AdvanceBio LC/Q-TOF は、高分子や不安定な化合物のオートチューン機能を搭載しており、高分子量のタンパク質から糖鎖などの低分子量の不安定な構造まで、成分に応じて柔軟に最適化することで、システムの潜在能力を最大限に引き出します。MassHunter BioConfirm ソフトウェアが提供する遊離糖鎖ワークフローは、分析の設定が容易で、多くの市販タグやカスタムタグに対応しています。
サンプルから分析結果までを網羅したアジレントの包括的なソリューションにより、遊離グリコフォームとインタクト糖鎖を効率的かつ確実に特性解析することができます。
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