空間オフセット型
ラマン分光法(SORS)

SureSelect XT HS Workflow

容器越しの分析と正確な同定

空間オフセット型ラマン分光法(SORS)は、内容物が不透明な層や容器の内側にある対象物 を分析するための唯一の方法です。この高度な技術を採用したアジレントの SORS 製品は、 医薬品の原材料同定、空港での液体爆発物の検出、現場での麻薬や有害物質の検出など、さま ざまなアプリケーションで使用されています。

SORS と従来のラマン分光法との比較

SORS は数ミリメートルの物質を透過して機能し、紙、ガラス、プラスチック、繊維、さ らには皮膚などの遮蔽物越しに、正確な化学的分析が可能です。このメソッドでは、容 器や表面の材質についての事前の情報も必要ありません。

従来のラマン分光法の場合、分析範囲が表面に限られるか、透明な包装やコーティングで なければ容器越しに内容物の成分を分析できません。容器を開けることは、初動対応シナ リオにおける有害な麻薬や医薬品の原材料受入れ試験における高活性な API などが人に 暴露するリスクにつながります。

SORS のしくみ

SORS では 2 つの測定を用いて容器越しに内容物のスペクトルを取得します。 まずレーザーの照射と集光の場所が一致する「従来の」ラマン分光測定を行い、 容器由来のスペクトルが支配的なラマン信号が得られます。次に空間オフセット 測定を行い、レーザーの励起と収集の場所を離すことにより、内容物由来のスペ クトルが支配的なラマン信号を得ることができます。そして最後に 2 つの測定 で得られたスペクトルをスケーリングし減算することで、内容物由来の明瞭なス ペクトルが得られ、不透明な容器越しの同定が可能になります。

SORS のアプリケーション

不透明な容器越しに物質を高速かつ容易に分析できるため、幅広いアプリケーションに対応できます。SORS テクノロジーを活用したアジレント製品には、次のようなものがあります。

  • Resolve:危険物処理、爆発物処理、法執行、税関スクリーニング用のハンドヘルド透過型同定システム
  • Insight200M:空港セキュリティチェックでの液体爆発物を検出するための容器のスクリーニング装置
  • RapID:医薬品の品質管理における原材料の同定検証装置


ラマン分光法の動画

RapID 概要動画

未開封のボトル、紙袋、色付きガラス、プラスチック容器越しに医薬品の原材料を検証するための次世代ラマンシステム。

Resolve 製品動画

Resolve は SORS テクノロジーを活用して、有害物質、爆発物、麻薬を、未開封の不透明な容器越しに同定します。

Insight200M 動画

Insight200M は世界中の空港で使用され、液体爆発物検出システム(LEDS)で最小の誤報率を誇ります。