透過型ラマン分光法(TRS)

SureSelect XT HS Workflow

錠剤 およびカプセルの非破壊分析

透過型ラマン分光法(TRS)は、錠剤、カプセル、粉末、液体、懸濁液などの混合物の定量分析に最適なメソッドです。 Agilent TRS100 システムは、非破壊での迅速な含量均一性試験用に開発されています。

TRS と従来のラマン分光法/近赤外分光法との比較

従来のラマンメソッドは後方散乱から収集したデータに依存しており、 錠剤およびカプセルなどのサンプルの分析は表面部分に限定されます。カプセル以外のサンプルやコーテ ィングされていない錠剤であったとしても、多くの場合、表面部分はバルクを代表するものではありません。

透過型ラマン分光法では、厚さ10 mm程度のサンプルを透過して内部全体を 測定します。サンプルの片側を照射し、透過光を反対側で収集することで、サンプル混合物全体を高精度に反 映した透過型ラマンスペクトルが得られます。1 回の迅速な測定で、検査対象すべてに対して高い感度で正確 に定量測定することができます。

近赤外メソッドのような他の分光メソッドとは異なり、TRS では通常、錠剤 コーティングやカプセルシェルの影響を受けることがないため、サンプル前処理が不要です。また、粒子サイズ 、サンプルの密度や水分によるの影響も容易に軽減することができます 。

製剤分析における TRS の利点

透過型ラマン法は、最終的な剤形および混合物の迅速定量分析に最適です。GMP 製造施設では、 製品のリリース前に含量均一性(CU)試験の実施が求められます。HPLC は、錠剤やカプセルの 含量均一性試験、分析、医薬品同定のグローバル標準ですが、唯一の手法ではありません。透過 型ラマン分光法(TRS)は、湿式化学と比較して、QC ラボのワークフローを強化し、試験時間や デッドタイムを数日間および数週間短縮するとともに、消耗品の費用を軽減し、工数を削減できます。

透過型ラマン法のアプリケーション

TRSは、医薬品製造プロセスの多くの領域にアプリケーションがあります。例えば、結晶化度分析、 安定性のモニタリング、製造プロセスの評価、錠剤・カプセル・粉末中の混合物の定量化などです。

通常、TRS 測定に要する時間は 1 サンプルあたり数秒~十数秒で、豊富な化学的情報により混合 物中の相対量が得られます。また、複数の API、結晶多形、賦形剤の情報も 1 回の測定で得ることができます。


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カテゴリー:ラマン分光システム