GC サンプル前処理&試料導入
さらにバックフラッシュを用いることで、分析時間の短縮や、カラム・検出器の劣化、汚染を低減させることができるため、システム全体のトータルコストの削減を行うことができます。キャピラリ・フロー・テクノロジーの流路スプリットを用いると、MS と選択型検出器 (FPD など)のリテンションタイムを合わせた同時検出を簡単に高い精度で行うことができます。
このように、世界標準のアジレント GC/MS と組み合わせたシステムでは、ポリマー等の試料に対し信頼性のある高分子試料の測定を行うことができます。なお、ルーチン分析で瞬間熱分解法のみ行う場合は、シングルショット・パイロライザーをお勧めします。パイロライザの製品詳細については、フロンティア・ラボ社のウェブサイトをご参照ください。
アジレント GC/MS の不活性イオン源は、最高 350℃ までイオン源温度を上げることができ、活性の高い化合物や高沸点成分のレスポンスを向上させることができます。また、測定後にイオン源を 350℃ で焼き出すこともできるため、イオン源のメンテナンス頻度を下げることも可能です。
アジレントのキャピラリ・フロー・テクノロジーは、独自の化学研磨・低容積・低デッドボリュームの不活性デバイスを採用しており、高精度の EPC によりキャリアガスを精密に制御することができます。これらの技術により、バックフラッシュ、流路スプリット、ハートカッティング、Deans スイッチング、フローモジュレーション GC x GC などの機能を、高精度かつ簡単にお使いいただけます。なお、サンプルと接するキャピラリフローデバイス表面は不活性化されていて、活性部位が最小限に抑えられています。
パイロライザとキャピラリ・フロー・テクノロジーを組み合わせたソリューションの例として、バックフラッシュと流路スプリットの特徴を紹介します。
従来、測定後に温度を上げてGCカラムから溶出させていた不要な高沸点成分を、バックフラッシュ(すべてのパージ付キャピラリフローデバイスで応用可能)によって、効率よくカラムから排出させることができます。バックフラッシュをパイロライザ-GC/MS システムに採用することで、カラムの長寿命化や検出器メンテナンス頻度の低減、分析時間の短縮が図れます。
<流路スプリット>パージ付スプリッタを使って、リテンションタイムを合わせつつ、MS とその他の選択的検出器で同時取り込みをすることができます。この機能により、1度の測定でより多くの情報を得ることができ、適用試料・測定対象化合物の範囲が広がります。
アジレントGC および GC/MS のデータシステムには、7890A のバックフラッシュ設定やその他の操作が単純化されたユーザーインターフェース画面を採用しております。
48 サンプルの自動化が可能なパイロライザー専用のオートサンプラです。アジレントの GC/MS に標準搭載されているリテンションタイムロッキングと併せて使用することで、リテンションタイムの補正を簡単に行うことができ、分析結果の解析が容易になります。
パイロライザーで熱分解を行う際の雰囲気ガスを、任意で選択することが可能です。使用例として、空気(エアー)を熱分解時の雰囲気ガスとして使用することで、測定試料の空気中での燃焼に近い状態の熱分解を行うことができます。GC カラムのダメージを与えないように、選択的試料導入装置を併用して、パイロライザー内部および GC 注入口の流路を不活性ガス(ヘリウムなど)で置換する時間を大幅に減らすシステムでご使用になることをお勧めします。
GC 注入口の下部に取り付けるアダプタです。パイロライザで試料を加熱する任意の温度画分を GC カラムに導入することができます。
液体窒素に浸漬した熱交換部で窒素ガスを液化させ、それを分離カラム先端部にジェット流を吹き付けて、局部を冷却するアクセサリです。分析成分をトラップして、特に低沸点成分のピーク形状を改善し、分離をよくすることができます。また、キャリアガス切換え装置で空気を熱分解時のキャリアガスとして使用する場合に、不活性キャリアガスに置換する間、確実に分析成分をトラップしておくためにも有効です。