ケーススタディ :メタボロミクスアプローチによる NO シグナルパスウェイの解明 - Manuel Portero-Otin 博士

Manuel Portero-Otin 博士
実験医学部門

リェイダ大学
スペイン、リェイダ

健康長寿のためのより良い栄養

アジレントは、リェイダ大学の実験医学部門の Manuel Portero-Otin 博士による、加齢性疾患を予防する高栄養価食品の開発研究を支援しています。

機能性食品を健康的なライフスタイルに取り入れることにより、より健康的に年齢を重ねることができます。この全体論的アプローチにもとづき、Portero-Otin 博士率いる研究チームは、ターゲットメタボロミクスメソッドを用いて特定の食事変化が健康におよぼす影響を評価しています。

この研究は、栄養メタボロミクスに直接関係する 2 つの重要課題を解決するための糸口になります。その 1 つは、遺伝的背景やライフスタイルなどに起因する老化速度の個人差を解消することのできる、個人に合わせた分子ソリューションを開発すること。もう 1 つは、栄養因子により生じる大量の微細な化学変化を考慮したメタボローム全体の完全解明へと近づくことです。

これらの課題の解決に向け、Portero-Ortin 博士の研究チームは、高分解能 LC/MS 機器の中で最も高い検出感度を有する Q-TOF 6500 シリーズ精密質量四重極飛行時間型 LC/MS により、特定の成分が健康におよぼす影響を分析しています。また、統計解析にはアジレントのパワフルな Mass Profiler Professional ソフトウェアが、化合物の同定には METLIN が活用されています。

この一連のシステムは、卓越した精度をもたらすだけでなく、高レベルのトレーサビリティと優れた信頼性を備え、食品原材料の生化学的特性の包括的な特定が可能なため、食品メーカーにとって大きな戦力になり得ます。また、使いやすいソフトウェアと汎用性の高い LC/MS により、非常に複雑な多変量解析も容易に開発できるようになります。

この研究分野は注目されつつあり、その過程で多くの課題と可能性が見出されています。一方、メタボロミクスと生体プロセスの総体的解明、複数の研究グループに渡るデータを比較可能な共通の方法の作成、メタボロミクスを大規模な疫学的研究で活用するためのよりシンプルで、より生産的な分析モデルの開発など、多くの課題も新たに生じています。

Portero-Ortin 博士とアジレントの製品スペシャリストの協力により、この重要な分野に向けて最先端の分析機器がもたらされようとしています。今後、栄養摂取に対する人体の短期的および長期的反応に関するより多くの発見がなされ、より健康的な加齢の基盤の提供に役立てられることでしょう。

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