Muriel Bardor 博士 |
微生物研究での重大発見におけるアジレントの貢献Muriel Bardor 博士は、微細藻類が魅惑的なこと、特にこれらの微生物が糖類を処理する方法に魅せられ、次のように述べています。 「微細藻類は糖類を合成するためにいくつかの特異的なパスウェイを有しています。これらの糖類はグリカンとも呼ばれ、高等植物でもヒトでも存在しています。」 このことは、Bardor 博士に、進化とバイオ医薬品の製造の両面で興味を抱かせました。 ルーアン大学の指導研究員である Bardor 博士と Glyco-MEV 研究所は、植物由来のバイオ医薬品の製造との関連で植物および微細藻類中のグリコシル化のパスウェイを研究してきました。 Bardor 博士は、自分のチームの最新の研究成果を現在は理解が困難で奇妙なものだが、調査する価値が十分にあるものと説明します。糖類、またはグリカンは、生物製剤の半減期を延長するものと知られています。つまり、服用回数をなるべく少なく、摂取量をよりより少なくできます。また、糖類やグリカンは、バイオ医薬品の生物活性に不可欠なものとしても知られています。微小量の糖類の構造を分析するためには超高感度の分析装置が必要です。Bardor 博士は、「アジレントが私たちを支援してくれています。1290 Infinity UHPLC-Chip/MS を含めたくさんの Agilent LC/MS システム を使用して研究対象のオリゴ糖類を詳細に特性解析しています。」と話します。 アジレントの機器は、この研究に関わるルーアン大学の PISSARO プロテオミクスプラットフォームをホストとして運用されています。 この 1 年、Bardor 博士と博士のチームはアジレントと定期的な検討会議を実施し共同研究を続けています。 Bardor 博士は次のように述べます。「アジレントの人々はさまざまな秘訣を提供してくれます。このため、私たちは実験のパラメータを微調整してワークフローを間違いなく最適化することができます。また、常により良い成果を得るために、新しくカスタマイズされたチップも提供してくれています。」Bardor 博士は、微細藻類の研究を 5 年前に始めたとき、微細藻類の生物学はほとんど知られていなかったことを思い出して次のように話します。「微細藻類がどの種類のグリカンを合成できるかさえも知りませんでした。まったくの最初から始めなければならず、チャレンジそのものでした。今では微細藻類がいくつかのグリカンを合成してタンパク質を修飾することを証明しています。」 糖類の果たすさまざまな役割において、細胞がどのように相互に作用し合うか、ウィルスやバクテリアがどのように相互に作用し合うかの両面について理解することがきわめて重要です。 チームはモデルとしてタバコのような植物を使用して調査を開始し、植物が組換え糖タンパク質を製造する工場としてどのように機能するかを示しました。これらには、今日の大型新薬の多くで使用されているモノクローナル抗体、および貧血症の治療薬として使用されているエリトロポエチンが含まれています。ワクチンと組み合わせて使用する生物製剤は、がん、免疫異常、感染症などのさまざまな深刻な病状を予防したり治療することができます。 「植物によるこのような複雑なたんぱく質の生成は困難な課題です。」と Bardor 博士は述べ、次のように説明します。「糖はきわめて機能的な役割を果たすために、ある特定の種類の糖がタンパク質上に付加されてることが必要です。確実にタンパク質そのものを正しく生成する必要があるだけでなく、付加される糖を綿密に分析しなければなりません。多くの場合、この糖がヒトの中で見つかる糖類とはまったく異なるものであるという事実から課題が生じます。望ましくない免疫応答を引き起こす可能性があるためです。」 そこでまた、詳細に特性分析するために超高感度の分析装置が必要となります。 現在、微細藻類なら容易かつ安価にバイオリアクタで育てることができるため、チームは微細藻類をメインモデルとした研究に移行しました。 「現在、微細藻類を使用してグリコシル化バイオ医薬品を製造できることを証明するレベルにまで到達しています。私たちが生成する研究対象のタンパク質が正しくグリコシル化され実用的であることを示すために、このコンセプトの正しさを示したいと考えています。今のところ最適化フェーズで、アジレントから適切なサポートを受けている最中です。」と Bardor 博士は話します。 |
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