Agilent Bravo Platform による スクリーニング研究のスループット向上

Kasia Proctor
アジレント製品マネージャ、自動化システム

サンプルの希釈やその他のリキッドハンドリング手順にかかる時間は、多くの研究ラボで障壁となっています。Agilent Bravo 自動分注プラットフォーム を使用することで、このような手順を自動化し、高速かつ正確で再現性の高い結果を得ることができます。この記事では、Agilent Bravo Platform を使用したお客様の自動化事例を紹介します。

 Ming Chen 博士は中国の上海にあるハイスループット生化学施設でディレクターを務めています。博士は Agilent Bravo Platform の高速かつ正確な結果を信頼しています。

図 1. Ming Chen 博士は中国の上海にあるハイスループット生化学施設でディレクターを務めています。博士は Agilent Bravo Platform の高速かつ正確な結果を信頼しています。

新しいターゲット、新しい薬物候補

Ming Chen 博士にとって、速度と精度は、呼吸と同じくらい重要なものです。これは、Chen 博士がハイスループットの自動化サービスを中国の関係研究者に提供する生化学施設を管理しているためです。上海にあるこの施設は 50 を超える研究グループ向けにサービスを提供しています。

「私たちの目的はトランスレーショナルリサーチ向けのオープンプラットフォームを構築して、基礎研究から前臨床研究と開発までの橋渡しをすることです」、と博士は言います。

ほとんどの実験は機能ゲノミクスと薬物スクリーニングに関するものです。

「新しいターゲット用の新しい薬物、これが私たちの取り組みが目指す理想的な目的です」、と博士は述べます。

飛躍的なスクリーニング性能の向上

 「ゲノムワイドな siRNA ライブラリと少数の化合物ライブラリを通じて、私たちはHTS(High Throughput Screening)とHCS(High Content  Screening)プロジェクトの迅速かつ正確な実施に貢献しています」、こう博士は述べます。

Chen 博士とその同僚が信頼しているのは、Agilent Bravo Automated Liquid Handling Platform です。「分注操作に自動化は不可欠です」、博士は続けます。「Bravo Platform なしで実施できる大規模スクリーニングはほとんどないでしょう」

「Bravo は私たちの要件にぴったり当てはまります。このプラットフォームを使用したことで、スループットと機能性の両面でスクリーニング性能が飛躍的に向上しています」

多機能かつ高度な自動化

「このシステムの真の強みは、多機能でありながら高度に自動化されているという点にあります」、と Chen 博士は言います。

「現在、日常的に 1,000 から 20,000 のサンプルを使って実験を進めています」、博士はこう付け加えます。「Bravo は私たちの要件にぴったり当てはまります。このプラットフォームを使用したことで、スループットと機能性の両面でスクリーニング性能が飛躍的に向上しています」

このシステムの主な利点は速度と信頼性にある、と Chen 博士は指摘します。「しかも、ユーザーフレンドリーなインターフェースのおかげで使うのも簡単です」

「アジレントの担当者は優秀で、信頼性の高いサービスを提供してくれます。だからこそ、アジレントの自動化プラットフォームを今後も一層使用していくことに確信が持てるのです」、と Chen 博士は述べます。

Paige Vinson 博士がディレクターを務めるハイスループットスクリーニング施設では、Bravo Platform が多種多様なアプリケーションを高速化しています。

図 2. Paige Vinson 博士がディレクターを務めるハイスループットスクリーニング施設では、Bravo Platform が多種多様なアプリケーションを高速化しています。

Agilent Bravo Platform による再現性の高い結果を信頼した大学での画期的な研究

Paige Vinson 博士は、さまざまな分野の科学者を支援するHTS施設を管理しています。現在研究しているテーマには、癌、心血管疾患、糖尿病、肥満、代謝、腎機能などがあります。

「興味深い画期的研究を進めている多数の研究者と大学で協業することは、それが基礎薬理学のプローブ開発であろうと、全面的な創薬プログラムであろうと、非常に満足度の高いものです」、と Vinson 博士は言います。

例えば博士によると、主要な施設利用者の 1 人は肥満と関連する受容体を調べており、人間の代謝を上げたり下げたりする修飾因子を見つけました。

別の科学者はマラリアや糖尿病、腎疾患に関連するイオンチャネルに取り組んでいます。

「多くの場合、当大学の研究者が見つけた低分子は健康に関連するターゲットを調整するものです」、Vinson 博士はこう述べます。「私たちは共有施設として、規模と能力の両方を向上する技術を通じてこれらの研究を支援しています」

高速で使いやすく、高い信頼性

施設で使用される主なツールの 1 つが Agilent Bravo Automated Liquid Handling Platform です。

「Bravo Platform が持つ重要な強みの 1 つは多様なアプリケーションで使用できる点です」

「当機関では数多くのサービスを顧客に提供しています。提供するサービスには低分子スクリーニングや siRNA スクリーニング、化合物管理、アッセイ開発、機器のウォークアップ使用が含まれます」、と博士は言います。「当施設の利用者は、96 ウェルや 384 ウェルへのアッセイのスケールダウンという課題を抱えています。このような実験を成功させるために欠かせない要素は、信頼性の高い自動分注装置です。また、同一条件下で多数のプレートを扱い、再現性が鍵となるスクリーニングでも同じ事が当てはまります」

障壁は別の個所に

Bravo Platform が持つ重要な強みの 1 つは多様なアプリケーションで使用できる点であると Vinson 博士は言います。

「通常、私たちにとってスループットは問題ではありません。障壁は別の個所にあります」、博士は続けます。「その点、私たちは毎日約 20 枚のプレートをスクリーニングに使用しますが、Bravo で簡単に管理することができます。プレートの繰り返しや再フォーマットに関して Bravo はずっと高速であり、手動とは比べものになりません」

実際に博士の施設で、10 万種類の化合物をチューブからプレートに分注し、このプレートを 6 枚作成することができるようになったのは Agilent Bravo 自動分注装置 のおかげであると博士は指摘します。この作業は化合物ライブラリを作成するために (素早く確実に) 実施され、研究対象ターゲットに作用する適切な物質を探し求める大学の科学者にとって、計り知れないほど貴重なリソースとなりました。

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Agilent Bravo Automated Liquid Handling Platform を使用した確実な自動化の詳細については、顧客事例をご覧ください。また、Bravo Platform に関するビデオ詳細情報もご確認ください。