SureSelect Human All Exon V6

概要

エクソームシーケンスは、ゲノム中のたんぱく質をコードする領域を解析するパワフルなテクノロジーです。超並列解析手法と1塩基レベルの分解能が融合した
次世代シーケンサにより、ゲノム中の2万近くの遺伝子を構成するエクソンすべてを1回の実験で解析可能になりました。この高い費用対効果のエクソーム解析は、
疾患原因遺伝子の発見を加速する重要な役割を果たしています。
このテクノロジーのパワーは、トランスレーショナルリサーチだけではなく、クリニカルリサーチの分野にも拡大し続けています。
トランスレーショナルリサーチの分野では、健常状態や疾患の原因に対するDNA変異の影響を調べるために、タンパク質をコードする領域すべてを解析することが
エクソームシーケンスによって可能になりました。
クリニカルリサーチ、特に希少疾患の研究では、ヒトエクソーム中の2万から5万もの変異のなかから、疾患に関連する変異を見つけ出すことに貢献しています。
今日では、変異検出の信頼性をより増大させるために、より完全なターゲットカバレッジを実現する網羅的なエクソームデザインが求められています。

        

図1.  SureSelect Human All Exon V6は、高度に最適化されたプローブデザインと厳しい条件のキャプチャワークフローがもたらす高いオンターゲット%により、
高いMapping効率と深いカバレッジを実現しています。より網羅的にタンパク質コード領域を解析するために、従来キャプチャが難しかった領域を含め、
各種データベースから得られた最新のエクソンターゲットをキャプチャ対象としています。

深く完全なターゲットカバレッジがもたらす網羅的かつ正確な変異コール

SureSelect Human All Exon V6は、クリニカルおよびトランスレーショナルリサーチの両方に関連するデータベースから最新のコンテンツを網羅した、
高性能なデザインです。
従来品や他社の市販品でキャプチャが困難であった領域もターゲットとして含み、タンパク質のコード領域をより網羅的にカバーしています。
加えてHuman All Exon V6は、キャプチャプローブの選択と相対濃度比を最適化することにより非常に均一性の高いカバレッジを実現し、図2に示す通り
20x以上のカバレッジでカバーされる領域を増大させました。
以下に体質性疾患研究で重要な遺伝子の高いカバレッジを示します。均一性の高いカバレッジの実現により、エクソームシーケンスから得られる変異情報を
最大化させています。

           

図2.  キャプチャプローブの選択と相対濃度比を最適化することにより、個々のターゲットエクソンおよびエクソーム全体として、非常に均一性の高い
カバレッジを実現。均一性の高いカバレッジにより、変異コールの信頼性は増大します。右図は体質性疾患研究において重要な56遺伝子の高い
カバレッジを示します。

トランスレーショナルからクリニカルリサーチまで、
すべてのアプリケーションに適用できる網羅的エクソームのソリューション

エクソームシーケンスの実用性は、得られる情報とシーケンスコストのバランスの良さで評価されます。この点において、必要とされるコンテンツは
アプリケーションにより異なる場合があります。
疾患関連の変異を発見するという体質性疾患の研究分野でのニーズにあわせて、Human All Exon V6+UTRデザインが用意されています。
癌の研究分野でのニーズに対しては、Human All Exon V6にTCGAとCOSMICのターゲットを追加したV6+COSMICデザインが用意されています。
これらのデータベースに登録されている変異は、癌の発生と進行において役割を果たしており、病因を理解するために重要です。
またSureDesignを用いて、特定のアプリケーションに必要とされるターゲット領域をV6エクソームに追加したカスタムデザインを作製することが可能です。

サンプルからデータを得るまでのターンアラウンドタイムを減らすことはますます重要となっています。
SureSelect Human All Exon V6は、各種のSureSelectのワークフローと互換性があり、QXTキットと組み合わせることでハイブリダイゼーション時間を
90分に削減することが可能です。

トランスレーショナルまたはクリニカルリサーチでのもうひとつのボトルネックはデータ解析です。
SureCallは、体質性疾患の解析に適合した単一サンプル分析やトリオ解析、癌の研究で標準的に用いられる癌とペアの標準検体の比較解析などに対応しています。

図3.  キSureSelect QXT によるサンプルからデータまでの迅速なワークフロー、わずか1日でキャプチャライブラリの作製が終了します。
さらに SureCall と組みあわせて、シングル、ペア、トリオのデータ解析を行うことが可能です。

 

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