Agilent 6560 Ion Mobility 四重極飛行時間型 (IM-QTOF) 液体クロマトグラフィー (LC)/質量分析 (MS) システムは、初の市販均一電場イオンモビリティ (IM) システムです。Agilent 1290 Infinity UHPLC システムと組み合わせることで、LC、IM、MS テクニックの分離技術と選択性のすべてが活用可能になります。
最先端の研究を目指すラボでは、イオンモビリティ測定で実現する新たな次元の分離や構造データにより、研究が迅速化し、化合物同定の信頼性を高めることが可能です。この機器は、市販されている唯一のドリフトイオンモビリティ測定 LC/MS システムで、移動度や質量についても高い分解能を備えています。このシステムを使用することで、優れた感度と精密な衝突断面積測定の両方を得られます。
複雑なサンプルで優れた詳細分析を実現
Agilent 6560 IM Q-TOF システムは、さまざまな学術機関や政府系研究所の科学者の協力により開発されました。この機器を使うことで、複雑なサンプルの分析で、高分解能質量分析計のみを使用する場合よりも大幅に詳しい分析データが得られることが、多くの研究により実証されています。
高分解能質量分析計は、プロテオミクスやメタボロミクスをはじめ、複雑性の高いサンプルを分析する必要のある研究アプリケーションに欠かせない分析テクニックになっています。その一方で、別の次元の分離を可能にする超高速オーソゴナルテクニックへの関心も高まっていることが、多くの研究者からの報告により明らかになっています。この新しいイオンモビリティシステムは、以下の分野に関して、従来に類がない詳細な分析データを研究者に提供できるシステムです。
構造異性体の分離
ピークキャパシティの向上
微量成分の検出および確認
タンパク質構造の保存
図 1. ヘキサポールイオンガイドにより四重極飛行時間型質量分析計に連結された Agilent IM-QTOF の概略図。
この Q-TOF MS は、40,000 を超える質量分解能と 5 桁のダイナミックレンジを備えています (Q-TOF モード動作時)。
(図を拡大)
微量レベルの MS/MS スペクトル品質の向上
Agilent 6560 IM Q-TOF システムを使えば、キャリブレーション標準物質を使わない衝突断面積 (CCS または Ω) の直接測定が可能です (図 1)。均一な低電場条件で動作するため、イオンのドリフト時間データを用いて衝突断面積を測定することができます。この機器に導入された革新的なイオンファンネル技術により、質量分析計へのイオンサンプリング効率が劇的に向上し、微量レベルの MS/MS スペクトル品質が高まります。この技術の詳細については、アジレント技術概要 5991-3244JAJP をご覧ください。
イオンモビリティ性能を大幅に向上させる Agilent 6560 IM Q-TOF
Agilent IM-QTOF LC/MS システムは、市販イオンモビリティ‑質量分析システムの開発における大きな進歩を示すものです。最適化して開発された均一ドリフト電場モビリティセルと高分解能 Q-TOF 機器とのインターフェースにより、イオンモビリティ性能が大幅に向上しています。過去 3 年にわたり、トリプル四重極および Q-TOF 機器でアジレントが他に先駆けて導入してきたイオンファンネル技術が、新しい IM-QTOF システムにも組み込まれました。これにより、イオンモビリティ分離と高感度の質量分離の組み合わせが実現しました。
複数の研究者の協力により実施した最近の研究では、以下のような利点が確認されています。
このシステムの分析機能を最大限に活用できるようにするために、アジレントはイオンモビリティデータを視覚化するソフトウェアツールも開発しました。 Agilent LC/MS MassHunter ソフトウェアは、モビリティ/質量ドメインのデータを解析し、衝突断面積を高い精度および正確性で簡単に測定できるように設計されています。
アジレントの幅広い LC/MS および GC/MS ソリューション
Agilent 6560 Ion Mobility システムの科学原理および機能の詳細については、この短いアニメーションビデオをご覧ください。また、幅広い Agilent IM-QTOF LC/MS システムおよびガスクロマトグラフィー (GC)/MS ソリューションの詳細もご確認ください。