幹細胞研究で活躍するゲノミクスツール 第1回

Stem Cell Vol. 1

幹細胞におけるゲノムの評価

幹細胞を再生医療に応用するには、質の高い幹細胞を用いることが重要であり、ゲノムに異常が生じていないことが
求められます。これまで、核型分析に加えて、CGH アレイや SNP アレイを用いてゲノムの品質を確認した事例が
数多く報告されてきました。近年では、患者由来の iPS 細胞の樹立に関する報告が相次いでいます。様々な疾患 iPS
モデルのゲノムの品質がマイクロアレイを用いて評価されています。

アジレントの CGH マイクロアレイは、疾患・癌ゲノムのみならず、様々な幹細胞においても使われています。
アジレントの CGH アレイ解析システムは、1 コピーの差を検出する定量性に優れています。カスタマイズにより
特定領域におけるコピー数差の検出の信頼性を上げることや、ランニングコストを下げることができます。
さらに、一部の SNP 情報を 加えた CGH+SNP アレイやリファレンスゲノムの提供など、臨床サンプルのゲノムの
評価をより効果的に行うための改良が続けられています。また、CGH/CGH+SNP データの解析ソフトの無償提供を
行っています。
 
論文リスト
Stem Cell Type Year Journal Array format 知見(概要)
ES 2010 Mol Biotecnol. 44 K Reported customized CGH for stem cell
characterization
iPS (Thalassemia) 2011 Nature Biotech. 1 M No genetic abnormalities
iPS (Alzheimer's disease) 2012 Hum Mol Genet 180 K The total number of copy number changes
(vs. fibroblast)as well as no aberrations were
detected in APP、 PS1 and PS2 genes
iPS (Parkinson's disease) 2012 Mol Brain. 180 K Homozygous deletion of parkinson gene
as well as retained stability of entire genome
iPS (Pelizaeus -
Merzbacher disease )
2012 Journal of Human
Genetics
105 K Confirmation of aberration region
iPS (Trisomy 21) 2013 Nature 180 K Selected clones showed no significant
abnormalities than full chr 21 trisomy
iPS (ring chromosomes) 2014 Nature 180 K Confirming the deleted region in fibroblasts
was rescued in iPS
上記以外にも、アジレントのCGH マイクロアレイを使った論文が多数ございます。論文リストをご希望の方は、下記より入手いただけます。