連続 ICP-OES 分析の生産性とスピードを AA で実現
Fast Sequential (FS) 原子吸光 (AA) 分析は、シーケンシャルICP-OES 分析の生産性とスピードを AA で実現するものです。Fast Sequential AA では、サンプル中のすべての元素を測定してから次のサンプルへ移行するので、従来の AA に比べて分析時間を半分に短縮され、サンプル量を削減することができます。各サンプルの分析結果を数分で得られます。それに対して、従来のフレーム AA では、バッチ内の各サンプルについて、一度に 1元素しか測定できません。1元素の分析が終わってから、バッチ全体を再度分析して次の元素を測定します。全サンプルのすべての元素が測定されるまで、サンプル分析は終了しません。また、各サンプルを複数回分析するので、各サンプルの分析準備をするための余分な時間が必要になります。
Fast Sequential 分析は、半定量分析や内標準補正といった新機能をフレーム AA 分析に採用しました。高速シーケンスで多元素を測定するので、内標準補正をオンラインで適用し、長期ドリフトを補正することができます。
固定ランプポジション
Fast Sequentialモードでは、すべてのランプが同時に点灯します。従来の回転タレットとは異なり、モーター駆動の高速ミラーシステムにより、固定ランプポジションから迅速にランプを選択します。すべてのポジションで多元素ランプも使用できますので、ランプを交換せずに多くの元素を測定することが可能です。
Fast Sequential 動作を実現する革新技術
フレーム AA で読み込み前の遅延が生じるたびに、多くの時間やサンプルが無駄になります。溶液中のすべての元素を測定してから次の溶液に移行すると、遅延時間と分析の総時間を短縮することができます。
Fast Sequential 技術を用いたサンプルスループットの劇的な向上は、おもに 5か所の設計上の革新により実現しています。
FS ウィザード
Fast Sequential 動作の核となるのが、インテリジェントなソフトウェアです。元素の波長分類することで、測定時間を最適化し、可能なかぎり高速の分析スピードを確保します。
高速反応ガス制御
連続的に元素を分析して遅延を避ける条件を完全に最適化するには、ガス流速を瞬時に変更する必要があります。比類のない再現性、精度、スピードでガス流速を制御できるのは、アジレント独自の ハンマーガスコントロールシステムです。
自動サンプルハンドリング
240FS/280FS AA に SIPS 10/20 サンプル導入ポンプシステムと SPS 3 フレームオートサンプラを組み合わせると、Fast Sequential モードで最大限に時間を短縮することができます。これにより、溶液の自動吸入と 1本の複数元素標準溶液をもとにした多点検量が可能になり、時間のかかる手動での標準溶液調製を省くことができます。SIPS 10/20 では、幅広いサンプルの高速オンライン希釈という利点も得られます。
高速波長ドライブ
Fast Sequential モードでは、240FS/280FS AA は各サンプルの指定したすべての元素を測定してから、次のサンプルに移ります。波長を迅速に変更するために、波長ドライブシステムを開発しました。この高速で堅牢、かつ信頼性の高いシステムでは、再現性の高いポジショニングを可能にするソフトウェアが使用されています。
固定ランプ
従来の回転ランプターレットは、Fast Sequential モードで使用するにはスピードが遅すぎるため、このターレットの採用は取りやめました。新たなシステムでは、固定ランプソケットに最大 8本のランプを配置でき、モーター駆動の高速ミラーを用いて迅速にランプを選択します。また、多元素ランプを用いると、ランプを交換する必要がありません。
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