> ゲノミクスTopページへもどる
> 論文・技術資料・アプリケーション紹介ページへもどる
miRNA / 遺伝子発現 / CGH / SureSelect / バイオアナライザ / その他
注目論文リスト | |
CGH | |
"A highly annotated whole-genome sequence of a Korean individual" Nature 2009 [19587683] |
CGH :次世代 DNA シーケンサが分子生物学に革命をもたらし、北西ヨーロッパ人/アフリカ人/中国人など、人種別の全ゲノム解読成果が次々に報告されています。今回、ソウル大学の研究者らは、韓国人の一人の男性の全ゲノム配列を解読するとともに、アジレントがデザインした2400万のタイリングプローブを含むカスタム CGH アレイを用いて、HapMap サンプルとの比較からコピー数の欠出および増幅領域を同定しました。この論文ではシーケンサでも検出できた確度の高いコピー数多型 (Copy Number Variants) の候補領域が報告されましたが、その多く (概ね半分) は既知の CNV データベースに登録されていない新規なものでした。またこの論文では、コピー数多型の検出において、解像度と品質の高い Agilent の CGH アレイが他のマイクロアレイのプラットフォームに比べて CNV 検出力が高いことが示されました。今後、次世代シーケンサ関連ツールの開発や整備が進む中、アジレントのカスタム/カタログマイクロアレイを組み合わせることで、ゲノムの変異を効率よく解析する研究が進むものと期待されます。
|
"The DNA replication FoSTeS/MMBIR mechanism can generate genomic, genic and exonic complex rearrangements in humans", Nature genetics 2009 [19543269] |
CGH :近年、統合失調症や自閉症などの疾患で CNV 領域が注目されていますが、CNV の原因となる分子メカニズムは未だ良く分かっていません。米国の Lupski博士が率いる研究チームは、07年の雑誌 ”Cell” にゲノム疾患の DNA 複製メカニズムとして提唱した FoSTeS (Fork Stalling and Template Switching)機構が CNV を説明できるかを検討しています。今回彼らは、特定のゲノム領域に構造変異が起こることで知られる Charcot-marie-tooth病などの患者群に対し、疾患責任領域にフォーカスした 4パックや 8パックのカスタム CGH マイクロアレイを作成し、疾患を持った家族や健常対照サンプルを集めて効率よく CGH 実験を行いました。そして、切断点付近の構造変化と塩基配列 (シーケンス解析) とを併せて検討した結果、「複製 DNA 合成時に近くにある 5塩基程度のホモロジー配列を介在してゲノム切断が引き起こされることにより、ゲノムの特定領域のコピー数増加やエクソン組み換えが起こる」と説明出来ることを示しました。彼らは、解像度の低い FISH や現行の次世代シーケンサ解析では、CNV の分子メカニズムを見落とす可能性が高いことも述べています。
|
● おすすめ Webcast
テクノロジープラットフォームの比較からコピー数研究に最適なワークフローが見えてきました。 |
● おすすめ論文 Nature Genetics の CNV 特集号 (過去の重要な CNV 論文をまとめたものです) |
● CGHアレイに関する書籍のご紹介 「臨床遺伝に関わる人のためのマイクロアレイ染色体検査」 (診断と治療社) 遺伝学の初歩からマイクロアレイを用いた染色体検査の実際までを豊富な図解と写真で初心者にも 解りやすく解説された本が刊行されました。 ご執筆は弊社マイクロアレイのユーザーでもある東京女子医科大学 統合医科学研究所 准教授の 山本 俊至先生です。 読み物としても参考書としても大変興味深く、既に多くの読者から反響が先生の元に寄せられているようです。 是非、ご参考としてください。 |