Voice of Customer お客様の声 : 常盤薬品工業(株)様

 
 

弊社、常盤薬品工業株式会社は、1946年創業の製薬会社で、「新グロンビターD」などのドリンク剤(医薬品)や「眠眠打破」、「強強打破」といった機能性ドリンク剤、豆乳イソフラボン(豆乳発酵液:保湿成分)含有の「なめらか本舗」シリーズなど、医薬品、医薬部外品、化粧品、食品などの製造販売を行っております。中でも「南天のど飴」は第 3類医薬品ののど飴として 40年以上のロングセラー商品となっております。また、置き薬としてしられております各種の配置薬につきましても、多くのお客様のご愛顧をいただいております。

弊社の研究業務は、医薬品を始めとし、食品、化粧品など、多岐に渡っておりますが、私の部門では、OTC医薬品、医薬部外品の厚生労働省申請や競合他社品分析、生体関連成分の微量分析などの分析業務を主に行っております。

分析する対象範囲が幅広いため、目的に応じて様々な分析装置を使い分け、日常の業務を行っておりますが、全体の5割以上が HPLC を用いた試験となっておりますので、 HPLC は欠くことのできないものとなっております。

HPLC は、一般的な逆相系カラム(ODS)とUV検出器の組み合わせで用いることが最も多いのですが、必要に応じ、色々なカラムと蛍光検出器、多波長検出器(PDA)、示差屈折計、ECD などを組み合わせたり、ポストカラムやGPC などにも用いています。ただ、装置台数に限りがありますので、各々の試験項目に合わせた専用機を設けている訳ではなく、目的に応じて装置構成を変えて対応しています。

こういった使用状況から、弊社において HPLC 装置を購入する際に考慮していますのは、再現性、精度、感度といったものは当然として、装置の安定性・堅牢性と汎用性・応用性の高さといった装置本体のハード面と装置メーカーのサポート体勢やメンテナンス技術者の質が良く、対応が良いといったソフト面です。また、ここ 10年に発売された HPLC 装置は、PC 制御であるのと同時にデータ処理も行うものがほとんどとなっていますので、“PC の寿命” と “HPLC 本体の寿命” についても考慮しています。

通常、 HPLC 本体は、5年から 10年程度は問題なく十分使用できるのですが、PC 制御の場合、購入時のシステムをそのまま用いなければならないことが多く、ソフトのバージョンアップがされていなければ、PC 側から装置全体の老朽化・陳腐化が進んでくるものが多々あるものと考えています。このため、装置メーカーが、制御ソフトや解析ソフトのバージョンアップを確実に行っているかどうかを購入時に確認するようにしています。
その際に、ソフトウエアが英語か日本語かは、使い勝手とは関係ありませんので、考慮はしていません。例え、日本語で使い易いものであったとしても、バージョンアップがされないものは、結果として “使えない” ものと判断することがあります。また、効率性やコストを考えた場合には、最先端のものよりは、各ユーザーが評価し、評価が定まったものであることも装置購入のポイントとしています。

以上のように、弊社が HPLC 装置に求めているものは、特殊なものではなく、ごくごく一般的なユーザーの誰しもが考えていることだと思っています。 そういった普通の考えに立って、各社の装置を評価し、現時点で弊社が選定したのが Agilent 1200 シリーズとなっています。

Agilent 1200 シリーズは、最先端の装置ではありませんが、装置本体の安定性や堅牢性、データの再現性、精度において弊社が十分満足する性能を有しており、非常にバランスのとれた装置であるものと考えています。また、PC ソフトのバージョンアップも過去からの実績が十分にあり、装置全体を陳腐化させずに長期間使用できているものと考えています。なお、データ解析ソフトの基本部分が HPLC も GC も同一であることから、この2つの装置を使用することが多い弊社にとっては、データ解析を行う際にも、データを管理していく際にも非常に有用であったとも考えております。

Agilent 社自体のサポートも各 HPLC メーカーと比べ、遜色のないものであるのと、Agilent 社がクロマト分析装置の総合メーカーとなっていることから、総合的なサポート力も申し分ないものと考えています。

ただ、 HPLC 、GC とも Agilent 社の装置を使用している弊社ですが、ひとつ難点を抱えております。それは、消耗部品のコストが他社に比べ高いこと、修繕費用が高額になることが多いことです。

この点がさらに改善されることを切に願います。

 

 

 

常盤薬品工業株式会社 奥村 浩様、貴重なお話をありがとうございました。