ハチミツ、ウナギ、米、アサリといった食品の産地偽装は消費者の信頼を裏切る行為であり、産地のブランドイメージを大きく損なう可能性のある問題です。その解明に質量分析の手法が役立つケースが増えてきています。
アジレントの ICP-MS (7900/7800) や ICP-QQQ (8900/8800) は研究機関における産地の判別に関わる研究を支えています。
農産物、海産物などの食品や、ウーロン茶などの飲料にも質量分析は応用されており、安定同位体比分析と無機元素組成分析の2つが主な手法となっています。これらの手法は、原理が異なるため共存していく手法です。
ここでは安価な汎用分析機器を用いることができ、分析自体も比較的容易であることから、後者の無機元素分析を通じて、無機元素分析を用いた事例をご紹介いたします。
判別確度を上げるためには元素情報が多いほど有利です。Agilent ICP-MS (7900/7800) を用いると、短時間に多くの元素の半定量分析を行うことができます。一方で多くの元素情報を含む多量の分析データから、産地判別に有用な情報を見出すことは、非常に困難な作業となりますが、多変量解析ソフトウエア (Agilent Mass Profiler Professional : MPP) を用いることで短時間に、視覚的にデータ解析を行うことができます。
MPP ソフトウエアは、アジレントの GC/MS、LC/MS などの質量分析データも解析することができます。原材料の品種判別、良品/不良品判定、異臭分析、他社製品比較、グループ別分類、不純物分析などさまざまな用途に応用でき、従来では困難であったハイレベルなデータ解析を可能にします。
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