>> Access Agilent 購読ご希望の方はこちらからご登録ください | 8月号記事一覧 Agilent 2100 バイオアナライザ: Andreas Rüfer
ウェスタンブロット法やELISA法(Enzyme Linked ImmunoSorbent Assay) などの抗原抗体反応を利用した手法は、複雑なサンプル中の特定タンパク質を分析する際に広く用いられる手法です。アジレントの研究者は先ごろ、免疫沈降の特異性とマイクロチップでのタンパク質検出の優れた感度を組み合わせた、新しい手法を開発しました。この IP/HSP250法は、Agilent 2100 バイオアナライザ向けの Agilent High Sensitivity Protein 250 キットをベースとしたもので、ウェスタンブロット法よりも速くて信頼性の高い分析を実現します。 図 1 に、IP/HSP250 メソッドのプロトコル概要を示しています。サンプル前処理および最終の分析での High Sensitivity Protein 250 キットのコンポーネントを使うステップを、黄色でハイライト表示しています。 感度が 1000 倍も向上
IP/HSP250 法の性能は、グルタチオン S-トランスフェラーゼ (GST) 標識タンパク質を添加した E. coli 細胞溶解物サンプルの分析により実証されています。GSTタグに特異的な抗体とプロテインAマグネティックビーズを用いて、ターゲットタンパク質を分離しました。図 2 は、さまざまな量の GST 標識 PTEN (Phosphatase and Tensin Homologue) を添加した E. coli サンプルを IP/HSP250法で分析した結果を示しています。ネガティブコントロール分析のデータを差し引いた検出下限 (LOD) は、0.001 % (E. coli 細胞溶解物 10 µg/μL のバックグラウンドにおいて PTEN 100 pg/μL) でした。 すでに確立されているテクニックを基準にしてこの新しい方法を評価するため、同じサンプルおよび抗体を用いて、ウェスタンブロット法による検出を試みました。酵素標識2次抗体を用いたウェスタンブロット法では、すべてのレーンで非特異的なバックグラウンドが観察され、PTEN のバンドを確認できたのは 1 % レベルのみでした (図 3、左)。一方、High Sensitivity Protein 250 アッセイのゲル表示 (図 3、右) では、より低い濃度の PTEN を確認できます。この結果からIP/HSP250法は、ウェスタンブロット法よりも遥かに優れた感度と特異性を備えたターゲットタンパク質検出法であり、ターゲットタンパク質の検出下限を1000倍も向上させることが出来る方法であることが分かります。 時間と試薬を節約 ウェスタンブロット法と比べた IP/HSP250法の利点としては、そのほかに以下のようなものがあります:
新しい IP/HSP250 メソッドによるターゲットタンパク質検出では、発色免疫複合体検出による従来のウェスタンブロット法に比べて、特異性、感度、利便性、分析時間が向上します。タンパク質発現および精製研究でウェスタンブロッティング法を使用しているお客様などこの実験にご興味のある方は、実験の詳細を解説したアプリケーションノート (5990-4097JAJP) をダウンロードできます。2100 バイオアナライザの詳細については、こちらからお問い合わせください。 >> Access Agilent 購読ご希望の方はこちらからご登録ください | 8月号記事一覧 |