ISIS 構成
図 1 は、ISIS-DS の離散サンプリング構成を示しています。ポンプ 1 (P1) は、大型 ISIS サンプル取り込みペリスタルティックポンプです。ポンプ 2 (P2) は、標準 7700 (および 7500) ネブライザポンプです。
図 1. オンライン内標準構成の ISIS-DS サンプリング。左はバルブが「ロード」ポジション、右はバルブが「注入」ポジションです。
バルブの下流に位置する ISIS 取り込みポンプ (P1) が、オートサンプラからサンプルループにサンプルを取り込みます。そのため、サンプルループにロードされたサンプルは、ペリスタルティックポンプのチューブには触れません。これにより、汚染やキャリーオーバーの大きな要因が排除されます。この高速、高容量ペリスタルティックポンプは、Cetac ASX-520 オートサンプラと内径 0.8 mm のワイドボアプローブを使用した場合、約 10 秒でサンプルループを洗浄および充填することができます。バルブとネブライザの間に新たにティージョイントを追加したことで、オンライン内標準添加が可能になっています。バルブとネブライザをつなぐチューブの長さと直径を最小化することで、バルブ回転 (サンプル注入) からコンスタントな分析対象物シグナルの認識までの時間が、15 秒未満にまで短縮されています。300-μL のループは、30 秒以上の連続スペクトルモード取り込みに十分に対応できる容量です。必要とされる取り込み時間の長さに応じて、より大型のループサイズを使用することも可能です。取り込みが完了したら、バルブがロードポジションに戻り、残留しているサンプルが排出されるとともに、クリーンな洗浄溶液によりネブライザとスプレーチャンバが洗浄されます。このとき、次の分析に備えてシグナルをベースラインに戻すまでの所要時間は、約 15 秒です (図 2)。
図 2. 離散サンプリング分析中の分析対象物および内標準のプロフィール (シグナル強度は対数目盛)。時間 0 – オートサンプラプローブがサンプルに進入し、ループがロード。注入 10 秒、取り込みディレイ 15 秒、取り込み 30 秒、洗浄 10 秒、オーバーヘッド 10 秒。総時間は約 75 秒。
その他の ISIS-DS 機能
コンスタントフローネブライゼーションにより、ネブライザフローをサンプル取り込みフローおよび洗浄フローと切り離し、より高速な取り込みと洗浄を可能にしながら、高マトリクスサンプルによるネブライザやプラズマのオーバーロードを防ぎます。
インテリジェントな自動希釈により、「範囲外」分析や QC エラー分析、高濃度成分の分析を 1 回の自動分析で行うことが可能になっています。
水素化物発生アクセサリを ISIS のオプションとして利用できます。アジレントの設計したメンブランガス/液体セパレータを備えたこのアクセサリを使えば、高マトリクスサンプルにおいても、水素化物を生成する元素や水銀の分析で究極の感度と選択性が実現します。
オンラインマトリクス除去と低圧クロマトグラフィ:ミニカラムおよびマイクロカラムを使用すれば、ISIS でマトリクス除去/予備濃縮を行い、分析困難な化合物やサンプルマトリクスに対応することが可能です。