シリンジフィルタ 詳細情報

なぜ HPLC のサンプルをろ過するのか?

  • カラムを保護するためです。特に新型の 5 ミクロン以下の微粒子カラムやキャピラリカラム、カラム入口のフリットが、
    サンプル内の粒子状物質により目詰まりを起こすのを防ぎます。これにより、カラムの寿命も長くなります。
  • 注入バルブの各部品がサンプル内の粒子状物質により傷や磨耗を起こして故障する危険を防止するためです。
    分析機器のダウンタイムを最低限に抑えます。
 

アジレントのシリンジフィルタを選ぶ理由は?

  • もっとも一般的なサイズ、ポアサイズ、メンブランの種類をお求めやすい価格で提供しています。
  • Luer と最低容量のミニチップの両方を用意しています。
  • すべてのシリンジフィルタはあらかじめガンマ線で滅菌されています。
  • 溶出可能物質が少なく、高感度が得られます。
  • 生体サンプルで高いたんぱく質回収率が得られます。
  • 再生セルロースフィルタは HPLC 条件下でバッチテストを受けています。
  • 新製品のエコノフィルタをお求めやすい価格の大量パッケージで提供しています。
 

正しいメンブランシリンジフィルタの選択方法

  1. ろ過する必要のあるサンプルの量を基準にしてフィルタのサイズを決めます。
  2. サンプル内に存在する可能性のある粒子のサイズを基準に、フィルタのポアサイズを決めます。ポアサイズは小さくなるほど、
    サンプルをフィルタに通す際に必要となる圧力が高くなる点に留意してください。もし大量の粒子状物資が存在している場合は、
    グラスファイバフィルタを使うか、メンブランフィルタの上流にグラスファイバのプレフィルタを設置して急激な目詰まりを防ぐ、
    または単一のハウジングにプレフィルタを内蔵した 2-in-1 フィルタを使うといった手法をおすすめします。
  3. ろ過したい溶媒を基準にして、メンブランの種類を決めます。
 
フィルタの種類
すべてのフィルタ注入口はメス型 Luer に対応しており、ハウジングは不活性ポリプロピレン、またはポリカーボネートです。
直径は 4 種類を用意しています。
 

30 mm フィルタ

  • 大容量サンプルまたは溶媒ろ過用に設計されています。
  • 断面積が大きく (5.1cm2)、小さな直径のフィルタよりも高速ろ過が可能です。
  • 残容量は 50μl 未満です。

25 mmフィルタ

  • エコノフィルタは、高スループットの実験室用に設計されており、経済的なパッケージのフィルタによりコストの低減を
    図ることができます。
  • 中程度の断面積 (4.2cm2) です。
  • 残容量は 50μl 未満です。

13 mmフィルタ

  • ほとんどのアプリケーションに適しています。
  • サンプル容量は通常、1~10 mL の範囲です。
  • 残容量は 10μl 未満です。

3 mmフィルタ

  • 小容量サンプル (<1ml) に最適です。
  • メンブランとハウジングは有機性サンプルと水性サンプルの両方に適応しています。
  • ポアサイズは 0.45μm と 0.2μm です。
  • 残容量は 7μl 未満です。
 

0.45 ミクロンと 0.20 ミクロンの 2 種類のポアサイズを用意しています。0.45 ミクロンのフィルタは、多くのカラムにとって有害な微粒子を取り除きます。0.20 ミクロンのフィルタでは、最小の微粒子を除去する場合に使用します。

プレフィルタには、100% ホウケイ酸グラスファイバメンブランが使われています。化学的に不活性で、大部分の溶媒に耐性があります。硬質ファイバ構造の広い表面積により、優れた粒子保持能力を示しながら、流れ抵抗を低く抑えます。GF53 は直径約 3μm までの粗い粒子を保持し、GF92 は最小で直径約 2μm の粒子を保持します。これらは単独でも、メンブランフィルタと組み合わせても使用できます。

2-in-1 フィルタは、2 層のフィルタを単一ハウジングに組み込んだもので、上の層にはグラスファイバのプレフィルタを、下の層にはメンブランフィルタを内蔵しています。目の粗いプレフィルタにより、メンブランフィルタの目詰まりの原因となる大きめの粒子を除去します。このフィルタはろ過が難しいサンプルに適しています。プレフィルタが粗い粒子を保持するため、液体サンプルをフィルタに通す際に必要な圧力が減り、スループットが高くなります。このコンビネーションフィルタの価格は 2 種類のフィルタを別々に買うよりも安価で、時間とサンプルとコストも削減できます。

 
メンブランの種類

アジレント・テクノロジーは、ほとんどの一般的な種類のメンブランを提供しており、広範囲のアプリケーションに対応します。
メンブランの主な選択基準は、溶媒との互換性とポアサイズです。HPLC で使用される一般的な溶媒と互換性のあるメンブランの
種類を、耐薬品性一覧表に記載しています。

  • PTFE メンブランは、酸性、塩基性のほとんどの溶媒で使用できます。
  • ナイロン 66 メンブランは、有機性、水性のほとんどの溶媒で使用できます。ただし、強酸性、塩化メチレン、DMF との使用は
    推奨しません。
  • 硝酸セルロースメンブランは、おもにプレフィルタに使用されます。すべてではありませんが、多くの水性溶媒や非水性溶媒で
    使用できます。
  • 酢酸セルロースメンブランは、有機溶媒には使用できません。水性溶媒には適しています。特に、タンパク質サンプルや、タンパク質に
    関連したサンプルにおすすめです。