Pub.No. LC-MS-201810TA-001
臭素酸は水道水の消毒剤である次亜塩素酸ナトリウム中の不純物、あるいは原水のオゾン処理における臭化物イオンの酸化生成物に起因すると考えられています。また臭素酸の主たる化合物である臭素酸カリウムは、国際がん研究機関 (IARC) により、ヒトに対して発がん性を有する可能性がある化学物質としてグループ 2B に分類されています。そのため、厚生労働省の告示法では、水道水中の臭素酸濃度の基準値が 0.01 mg/L (10 μg/L) と規定されています。
臭素酸の検査法としては、厚生労働省告示第261号の別表第 18 に記載されているイオンクロマトグラフーポストカラム吸光光度法が用いられてきましたが、専用装置が必要であり、さらにポストカラム溶媒で強酸を使用するため、作業性や装置耐久性に問題がありました。平成29年 4月改正で新たな検査法として臭素酸の液体クロマトグラフー質量分析法 (別表18の2) が追加となりました。本報ではこの新しい手法を用い、水道水中の臭素酸分析を行いましたのでご紹介いたします。検出器には Ultivo トリプル四重極 LC/MS を使用しました。
分野 | 環境 |
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キーワード | 臭素酸、LC/MS/MS |
掲載年月 | 2018/10 |
ページ数 | 4ページ (PDFファイルサイズ 890kB) |