Pub.No. 5994-7238JAJP
食品中残留農薬規制では対象となる農薬が多岐に渡り、多様な化学的特性を有します。GC/MS やLC/MS の測定では食品のマトリクスを除去し、測定対象となる残留農薬を保持する固相抽出が用いられています。食品中残留農薬の前処理で使用される吸着剤にはさまざまな種類がありますが、グラファイトカーボンブラックベースの吸着剤が残留農薬分析の前処理で用いられた場合、農薬によっては分子内の平面構造がグラファイトの結晶に強く捕捉されることで回収率が非常に低下することが知られています。そのような回収率の低下を化合物の分子の特性をもとに理解する手法として定量的構造物性相関(QSPR:Quantitative Structure-Property Relationship)があります。本報では食品中の残留農薬分析の QSPR の適用事例として、溶媒スタンダードおよびほうれん草のマトリクスを添加した試料の農薬回収率のデータに対して、農薬の分子記述子を用いて、グラファイトカーボンブラックベースの吸着剤に吸着されて回収率が低くなる農薬の化学的特性を分子記述子の観点から考察を行いました。
分野 | 食品および飲料検査 |
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キーワード | 食品; 残留農薬; 回収率; QSPR; GC/MS; LC/MS; ランダムフォレスト; 変数選択 |
掲載年月 | 2024/04 |
ページ数 | 8ページ (PDFファイルサイズ 748kB) |