Pub.No. 5989-4313EN
プロトロンビンは血液凝固系における重要なタンパク質である。このタンパク質遺伝子の非トランスレーション部位における G20210A 変異は血漿プロトロンビン濃度の増加を引き起こし、静脈血栓の危険性を著しく増加させる。ヘテロ接合体 (heterozygous) の変異は危険性が 2-3 倍増加し、ホモ接合体 (homozygous) の変異はさらに高くなる。そしてその静脈血栓は次のリスクファクターを増加させる (動脈血栓の危険性を増加させる報告もある。ただし、状況にも依存するとも議論されている)。本例では静脈血栓疾患と健常な血液試料から抽出したゲノム DNA をもちいて、PCR-RFLP 法により G20210A の多型性を検出した例を示す。
G20210A 変異をもつ遺伝子にのみ HindIII 制限酵素部位を導入するように PCR プライマー (Reverese primer: 20233-20212) を設計し増幅反応を行う。その後制限酵素処理を行うと変異の導入されている DNA のみ切断され、322 bp と 23 bp の断片を生じる (野生型の場合は切断されず 345 bp 断片のままである)。バイオアナライザを用いることにより変異型ホモ接合対 (変異型の増幅産物のみ生じる) ・ ヘテロ接合体 (変異型・野生型の両方の増幅産物を生じる) ・ 野生型ホモ接合対 (野生型の増幅産物のみ生じる) を効率的に検出・分類することができた。
分野 | ゲノミクス、バイオ医薬品および医薬品 |
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キーワード | SNP、PCR-RFLP法、変異型検出、プロトロンビン、多型 |
掲載年月 | 2005/12 |
ページ数 | 8ページ (PDFファイルサイズ 230kB) |