Pub.No. 5989-2481JAJP
クロム元素(Cr) の微量分析は、様々な分野において関心が持たれています。環境中では、Cr は3価のCr(III) 陽イオンと6 価のCr(VI) 陰イオンという、2 種の異なる酸化状態で存在します。哺乳動物にとって、Cr(III) はグルコースの代謝に関連する必須元素です。一方、6 価クロムは比較的低い濃度でも突然変異の誘発や発ガン性を示します。このような二面性があるため、Cr を全量測定するだけでは毒性を判断するために十分な情報を得ることができません。サンプル中のCr に毒性があるかどうかを評価するためには、Cr のトータル濃度ではなく、Cr(VI) の濃度を測定する必要があります。サンプル中のCr 濃度の毒性を正確に把握するための簡単で信頼性の高い分析手法として、イオンクロマトグラフィー法とオクタポールリアクションセルICPMS(誘導結合プラズマ質量分析) を組み合わせて、Cr(III)とCr(VI) を分離した後に測定するという新しいメソッドを開発しました。このメソッドでは、サンプル前処理方法とクロマトグラフィーの条件が最適化されているため、硬度の高い飲料水のようなマトリックス濃度の高いサンプルにも適用できます。また、ICP-MS 側では、信号に干渉を与えるバックグラウンドイオンがリアクションセル中で除去される結果、優れたS/N 比がもたらされ、毒性を持つCr(VI) を0.1 μg/L 未満の濃度で正確に定量することができます。
オンデマンドウェビナー: LC-ICP-MS システムによる六価クロム分析のご紹介
分野 | 環境 |
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キーワード | 7500 シリーズ、 ORS、 RoHS、 ICP-MS、クロム、スペシエーション、イオンクロマトグラフィー、オクタポールリアクション、5989-2481JAJP |
掲載年月 | 2005/06 |
ページ数 | 8ページ (PDFファイルサイズ 324kB) |