Pub.No. 5989-0078EN
胃に Helicobatter pylori (H.pylori) が感染することは胃潰瘍や胃癌の原因と考えられている。本文献ではマルチプレックス PCR を行い、H.pylori の毒性のステージに関連する遺伝子バリアントを分類する方法での診断へのアプローチを示した。
病気 (胃-十二指腸) の発症に関与していると考えられている H.pylori 毒性遺伝子は、vacA 遺伝子の allelic variant、cagA 遺伝子、iceA 遺伝子の allelic variant である。vac 遺伝子は全ての株に存在するが、signal 領域と mid 領域に allelic variant がみられる (signal 部位バリアント : vacA S1, S2、 mid 部位バリアント : vacA m1, m2)。これらの vacA バリアントは異なる毒素活性に関係する。cagA 遺伝子は cag 病原性アイランド (pathogenicity island: PAI) が存在することのマーカーであり、胃壁上皮細胞のIL-8分泌に関わっている。iceA遺伝子バリアントは iceA1, iceA2 に分類され、H. pylori株はいずれかのバリアントを示す。icaA 遺伝子は上皮に作用し粘膜の IL-8 濃度の上昇に関わるといわれている。各バリアントに特異的なプライマーを用いて7種のバリアントを4種の nested-マルチプレックス PCR で行い、かつ反応物を全て混合して分析することにより、効率よく遺伝子バリアントを分析することに成功した。
分野 | バイオ医薬品および医薬品、ゲノミクス |
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キーワード | 癌、マルチプレックスPCR、genotyping、遺伝子バリアント(allelic valiant) |
掲載年月 | 2003/10 |
ページ数 | 4ページ (PDFファイルサイズ 108kB) |
Comparison of the iceA1/A2 PCR analysis on the Agilent 2100 bioanalyzer with slab gel results.