Pub.No. 5988-9128EN
レーザーマイクロダイセクション組織からの RNA による遺伝子発現解析の際、バイオアナライザが RNA 品質確認に有用であり、RT-PCR の結果とも相同性がみられたことを示した。本例では凍結マウス肝組織薄片からの抽出 RNA の品質に関して、染色 (Hematoxylin/Eosin (HE) ・ Nuclear Fast Red (NFR) ・ Methylgreen (MG) ・ Methylene Blue (MB)) 法と抽出試薬 (3種 A ・ B ・ C) で比較検討を行った。
抽出 RNA の品質と収量に関してバイオアナライザ RNA6000 Pico キットを用いて確認した結果、抽出キットA で DNase処理を行わない場合、ゲノムが混入することが確認できた。また染色法の比較については、いずれも類似した品質の RNA が得られたが、染色法 MG が最も収量が高く、次に HE・NFR、最も収量が低かったのは MB であった。
これらバイオアナライザで確認を行った事象に関して、さらに RT-PCR (LightCycler®) により確認を行った。バイオアナライザ泳動パターン上でゲノム混入の予想される試料 (抽出キットA, DNase 無し) について RT-PCR を行った結果、DNA 融解曲線データより増幅 PCR 断片の特異性の低さが示唆された。また増幅曲線データから、同試料はゲノム DNA により核酸量が多く見積もられていることが予測された。
組織の染色法についても RT-PCR により確認を行った結果、DNA の融解曲線から増幅 DNA の特異性の一致が確認され、かつ増幅曲線からMBが最も開始試料量が低いことが示された。
分野 | ゲノミクス |
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キーワード | LCM、total RNA 分析例 (マウス肝)、RT-PCR |
掲載年月 | 2003/03 |
ページ数 | 8ページ (PDFファイルサイズ 1.85MB) |
RNA was isolated from microdissected mouse liver tissue sections using different procedures